ドアノブに触れた瞬間「バチッ!」 痛くて怖いクルマとの間の「静電気放電」を防ぐ方法とは

この記事をまとめると

■乾燥した冬に発生しがちな静電気

■ドアを開けるときなどクルマに触れるとバチッときて痛みを伴うこともある

■静電気の火花で給油中に発火する恐れもあるので注意が必要

夏は感じないのに冬にバチッとくる理由とは?

 冬になると嫌なのが静電気だ。乗り込もうとするとバチッと来ることがあって、ビックリするし、少し痛い感じもする。クルマに限らず、なぜ冬だけ静電気でバチバチするのか、意外に知らなかったりするので、改めておさらいして紹介しよう。

 まず人とクルマの間で起こりやすいのは、帯電する電気が違うから。地球上に存在する物質はプラスかマイナスのどちらかに帯電しやすく、人間はプラスに帯電しやすくて、自動車はマイナスに帯電しやすい。このため、ドアノブに触れた瞬間、放電されてバチッとくるのだ。

 冬は静電気の発生が多くて帯電しやすい季節。湿気が多い季節は空気中に放電されやすくて、体に電気は溜まりにくい。だから夏は気にならないのだ。細かいことを言うと、皮膚が乾燥していると発生しやすいのでなおさらだ。湿度は約20%以下、気温は約25℃以下で発生しやすいとされ、個人差もある。

 さらに衣服が体とこすれるのも静電気が発生する大きな理由だ。ポリエステルなどの化学繊維はとくに発生しやすくて、子供のころに下敷きで頭をこすって、髪の毛をくっつかせて遊んだ覚えがあると思うが、あれと同じだ。逆に木綿などの天然繊維は静電気が発生しにくい。

 では、どうやって対策するのがいいかというと、基本は事前に放電させてからドアに手をかけるのが有効。さまざまな静電気除去グッズが売られていて、キーホルダータイプのものは扱いやすいだろう。なければキーなどの金属でまずドアノブを触れても放電される。

 また、地面に手を当てるだけでも放電される。ちなみにその昔、放電ベルトをぶら下げているクルマをよく見かけたが、ちゃんとボディからつながっていれば実際に除電の効果はあるにはあった。見た目が昭和過ぎて、付けるのははばかられるが……。

 静電気によってバチっときた瞬間にはわずかながら火花が散っていて、給油している際に発火につながることもありうることから、セルフスタンドでは静電気除去シートにまずは触れるように促されるし、スタンドのスタッフが着ているのは帯電しにくい制服となっている。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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