この記事をまとめると
■いま移動手段として電動キックボードが注目されている
■2022年に「特定小型原動機付自転車」という新たな車両区分が設定された
■そこで電動キックボードの区分やルールについておさらい
「特定小型原動機付自転車」という新たな車両区分が設定された
ちょっとそこまで、という用事の時には、今までは自転車が使われることが多かったのですが、近ごろは電動キックボードがそれに代わる存在として台頭してきています。メリットとしてはまず、電動なので自分でこがなくていいこと。ちょっとした坂道もラクラクです。女性なら、ミニスカートやタイトスカートでも乗りやすいなど、服装の制限があまりなくなるのも嬉しいところですね。さらに、コンパクトなものが多いので、置き場所に困らないというのも助かります。玄関先など屋内に手軽に持ち込めるし、クルマに積んでおいたりすることもできます。ちょっと気になっている、これから購入を検討している、という人も多いのではないでしょうか?
そんな人たちに追い風となっているのが、2022年に閣議決定された道路交通法の一部改正案(施行は2023年7月1日予定)によって、「特定小型原動機付自転車」という新たな車両区分が設定されて、多くの電動キックボードはその区分に含まれ、免許が不要になります。改正案に示された定義では、最高速度20km/h以下、全長190cm×全幅60cm以内に収まる車体が「特定小型原動機付自転車」だと規定されているので、年齢制限や運転条件はあるものの、ほぼ自転車と同じ扱いとなることがわかります。
ただし、最高速度が21km/h〜30km/hの電動キックボードはこれまでとおり、車両区分が「原動機付自転車」になるため、免許が必要です。また、免許不要となる「特定小型原動機付自転車」の電動キックボードについても、16歳以上という年齢制限が設けられました。ヘルメット着用は努力義務ということで、もし着用していなくても罰則はなくなります。ただ、これまでどおりナンバープレートと自賠責保険への加入は必須。信号無視など交通法規に違反する人に対しては、交通反則通告制度が適用され、放置駐車にも放置違反金制度が適用される見込みです。免許なしで手軽に乗れるようになるからこそ、交通を乱したり歩行者などを傷つけることがないよう、こうした制度は必要ということですね。
さて、新しい車両区分となった「特定小型原動機付自転車」のキックボードは、どこを走れるのか? 気になるところだと思います。基本的には、通行できるのは車道、自転車レーン(普通自転車専用通行帯)、自転車道の3つ。ですが、最高速度を6km/hに制限することによって、自転車走行可能とされている歩道が通行できるようになります。この場合には車体の識別灯火をグリーンに点滅させることで、「今は速度を制限して歩道走行できる状態です」と周囲に示す必要があります。
最後に購入時の注意点ですが、必ず以下の保安基準をクリアしている電動キックボードを選ぶことが大切です。「自動点灯するヘッドライト(前照灯)」「テールランプ(尾灯)」「リフレクター(後部反射装置)」「スピードメーター(速度計)」「スピードリミッター(速度抑制装置)」「ブレーキランプ(制動灯)」「識別灯(最高時速表示灯)」「バッテリーの安全基準」「適正なウインカー(方向指示器)」「クラクション・ベル(警音器)」「最低1輪に機械式ブレーキ(制動装置)」がすべて備わっているかどうか、チェックしましょう。
なお、遊具として販売されている電動キックボードは公道走行できないものですので、注意してくださいね。
免許不要となることで市場拡大が期待できるため、大手メーカー以外にも、こうした電動キックボードに特化した振興メーカーが魅力的なモデルをいろいろと発表しているので、ぜひ自分にピッタリな1台を見つけてほしいと思います。