この記事をまとめると
■大阪オートメッセ2023の出展車両をリポート
■この記事ではリバティーウォークのフェラーリF40に注目
■ベースモデルへのリスペクトが感じられるカスタムが施されている
ベース車の質を高めるリバティーウォークならではのカスタム
カスタムといえば「ノーマルの状態が気に入らないから手を加えるもの」と思われがちだが、ノーマルのモデルそのものが好き過ぎてもっとこうしたい・ああしたいが高じて始まるカスタムというのもある。年初の東京オートサロンで発表され、大阪オートメッセでも関西の目利きなカスタムファンを唸らせまくった、F40はまさしくそうした一台だ。
まず目に飛び込んでくるのは、吊り下げ式のフロントリップにビス止めのライトカバーにリヤフェンダー。リバティーウォークのコンプリート・ボディキットのロジックでいう、「ワークス」シリーズの特徴だ。ちなみにベース車両はF40であってF40LMではないが、結果的に丸目4灯かつフロントカウル中央に大型ダクトを備え、フェンダーのエッジが外側に移されたワイドフェンダーという、LMに限りなく近い仕様に落ち着いた。というのも開発当初、フロントセクションもビス止めのブリスターフェンダーをアウトパッチする予定だったが、最終段階でブリスターではなく自然に孕んだワイドフェンダーとされ、通常のLM仕様より片側30mmほどワイド化している。
だからこそ、アウトパッチ的にビス止めされた駆動輪側、つまりリヤフェンダーの存在感が一層、際立つことになった。こちらは片側50mm拡げられているが、強調されたのは力強さだけにあらず。ボディ側エアインレットと、ボディ後端のアウトレットとのスムースな繋がりまでパーフェクトな仕上がりで、オリジナルのノーマルボディに備わるスムースなラインをまったく壊すことなく、むしろ高い次元に昇華させている。
二重フラップとなった可変式のリヤウイングや、フロント左右両端に備わるサイドディフューザーも、初めからF40に備わっていてもおかしくなかったと思わせる画竜点睛ぶり。特注によるセンターロックの6本スポークホイールも、往年のスピードラインのレーシングラインを彷彿させる。
闇雲にハデ方向に「変える/替える」のではない。元よりクルマに備わる機能性に「エンハンスをかける(質を高める)」からこそ、ベースモデルへのリスペクトが漂うカスタムという訳だ。ちなみに隣に置かれた488ピスタのシルエット仕様にも注目。F40や先のFD3Sと比べてみれば、世代の異なるテクノロジーに対してリバティーウォークのカスタムのアプローチがいかにリスペクトに満ちているか、迫り来るほどに感じられるはずだ。