この記事をまとめると
■日産自動車大学校の生徒がマーチカブリオレをベースにしたカスタムカーを制作
■往年の名車「フェアレディ(SR311)」をオマージュしている
■手作業で仕上げたオリジナルパーツも装備しており公道走行も可能だ
名車が学生の技によって奇跡の融合!
RZ34のクロスオーバーモデル、「フェアレディX」が話題の日産京都自動車大学校は、もう1台フェアレディをモチーフにしたカスタムカーを大阪オートメッセ2023に持ち込んでいた。こちらは1960年代に登場した昭和の名車、SR311のスタイルを継承。
コンセプトは「Neo Fairlady」。
ベースはK11マーチのコンバーチブルで、「I’m march」と命名された。SR311の外装部品をFRPで作っている業者との伝手を得て、フロントフェンダーやリヤまわりを実車から型取ってFRP化。それをマーチの車体に合うように、丁寧に寸法合わせしてフィットさせている。
ベースのマーチコンバーチブルはAT車(CVT)だったが、SR311ならMTだろう、というこだわりで、K11のMT車からエンジンとミッションをそのまま移植。ヘッドカバーを塗装し直して、エキマニは純正のものをピカピカに磨き上げて蘇らせた。
ベース車が古いために、電装系がかなり劣化しており、その補修や配線の引き直しなどに苦労したとのことだが、このクルマもオートメッセ開催の3日前に車検を通し、保安基準をクリアしている。
細かいところをみていくと、サイドマーカーやテールライトはSR311の純正。じつはまだ日産部品から新品が購入できるとのこと。ヘッドライトはジムニー用のものを使っている。
リヤバンパーはFRPで制作し、メッキシールでそれらしく。ウイングは、スーパーGTのマシンでもおなじみの最新タイプのスワンネックウイング。このウイングもエアロパーツメーカーのシーウエストに日産京都自動車大学校のカスタマイズコースに所属する生徒が出向いて、プロたちに指導を受けながら学生自身が作ったものだ。ちなみに幌は新品に張り替えているので開閉可能となっている。
ホイールはレイズの復刻版のTE37。このカラーでこのサイズはスペシャルだが、クラシック感とスポーティ感がベストマッチ。ただのレトロ感だけでなく、ウイングやレカロシートなどは最新のものを取り入れて、レトロと今を上手くリンクさせているところにセンスが光る。
制作は「フェアレディX」と同じくカスタマイズ科4年生の13人が担当。I’m marchは仕上がったばかりで、今回の大阪オートメッセが初お目見え。展示車を2台のフェアレディで揃えることでテーマ性を持たせるとともに、カラーリングをフェアレディXとI’m marchで対向的な色にすることで、お互いがお互いを引き立たせることを狙ったらしいが、その狙いは成功したと言っていいだろう。
ちなみにこのI’m marchの水色も、学生が調色したオリジナルカラーだ。