機械的に解除できることが多い
EPBの多くはブレーキパッド(ブレーキシュー)を動かすアクチュエーター内蔵ブレーキを採用している。ディスク式であればブレーキキャリパーにEPBに関する配線がつながっているので、コネクター部分を切り離し、特定のネジを回すことでパーキングブレーキを機械的に解除できるような設計となっていることが多い。
レッカーでけん引する場合においては車両のタイヤをそのまま転がすのではなく、タイヤを台車に載せて引っ張ることのほうが多い。そのため、故障した場所でEPBが解除できなくとも問題なく整備工場まで運ぶことができる。
いずれにしても、EPBユニットが故障しているのではなく、単なるバッテリー上がりが原因であれば、バッテリーを交換するなり、充電するなりすればイグニッションオンの状態にでき、室内のスイッチでパーキングブレーキを解除できる。
また、バッテリーが上がってしまいEPBが作動できなくなったとしても、走行中にバッテリーが上がってしまうことは滅多にないので、基本的にはパーキングブレーキがかかった状態で止まっていれば、クルマが動いてしまうようなことはない。
昨今のEPBは、ATをPレンジに入れたときに連動して自動的にパーキングブレーキをかけるようなオートモード制御が搭載されている。
デフォルトではオートになっていることが多いので、わざわざ解除せずにオートモードで利用していれば、万が一バッテリーが上がってしまっても、パーキングブレーキがかかっていないと心配する必要はなくなるだろう。
ちなみに、EPBをオートモードにしておけばATをDレンジもしくはRレンジに入れると、それに連動してパーキングブレーキが解除される。
手動式や足踏み式の場合、パーキングブレーキの解除を忘れてブレーキを傷めたり、最悪のケースでは火が出てしまったりということもあり得るが、そうしたケアレスミスを防ぐ意味でもEPBというのはユーザーフレンドリーなメカニズムといえそうだ。