この記事をまとめると
■軽自動車を中心に販売するダイハツとスズキはお互いにライバルとなるクルマが多い
■ガチンコのライバルであるダイハツ・タントとスズキ・スペーシアの違いを検証する
■いずれもスライドドアを備えたスーパーハイトワゴンであり価格もほぼ同等となっている
軽自動車で鎬を削るダイハツとスズキ
ダイハツとスズキは、両社ともに軽自動車が中心のメーカーだ。軽自動車は薄利多売のカテゴリーだから、ひとつのエンジンやプラットフォームを使って多彩な車種を作り、売れ行きを伸ばす必要がある。
その結果、ダイハツとスズキには格好のライバル同士が多い。売れ行きは好調で、2022年には国内で新車として売られたクルマの39%が軽自動車で占められた。ここでは売れ筋車種について、ライバル同士の違いを検証したい。
■ダイハツ・タントVSスズキ・スペーシア
両車ともに全高が1700mmを超える背の高い軽自動車で、後席側にはスライドドアを装着している。両車とも軽自動車の中心的な存在だ。
タントの場合、先代型の後席は、床と座面の間隔が不足して、足を前方へ投げ出す座り方で柔軟性も乏しかった。現行型はそこを改善して後席の快適性を向上させ、曖昧だったステアリング操作に対する反応も正確になっている。
またタントでは、以前から左側のピラー(柱)をスライドドアに内蔵させ、前後のドアを両方ともに開くと開口幅が1490mmに広がる。雨天時などはベビーカーを抱えて車内に入り、子供を後席のチャイルドシートに座らせ、降車しないで運転席まで移動できる。子育て世代が快適に使える機能を充実させた。
スペーシアもデザインに特徴があり、エアコンの冷気を後席へ送るスリムサーキュレーターなどの快適装備も採用した。それでも実用的な機能はタントが勝っている。
買い得グレードは、タントは標準ボディのX(150万7000円)、スペーシアも標準ボディのマイルドハイブリッドX(153万3400円)になる。
両車ともに厳しい競争を展開しているから、買い得グレードの価格はほぼ同じだ。