「ロードスター」に「ロータリーエンジン」だけじゃない! マツダの魅力溢れる名スポーツカーを一気に振り返る (2/2ページ)

ロータリー以外も魅力的な車種多数!

・GF型マツダスピードファミリア

 ファミリア最後のモデルとなる9代目は1998年に登場。歴代モデルにラインアップされた3ドアハッチバックは開発されず、4ドアセダンと5ドアハッチバック(Sショートワゴン)のみを用意しました。とはいえ3ドアハッチバックは、先代モデルに設定されたNEOと名付けられた3ドアハッチバックが販売不振に陥ったことで、マイナーチェンジ時に追加された正統派(?)3ドアハッチバックが1999年まで継続販売されています。

 この9代目には100台限定で2001年に販売されたスポーツモデル、マツダスピードファミリアが存在しました。

 ボディカラーはブルーメタリック、ホイールはゴールドとなにやらスバル車を連想させるカラーリングを身にまとったマツダスピードファミリアは4ドアセダンをベースに開発。セダンには設定されていなかった2リッター直4エンジン(175馬力)を搭載し、エンジンや足まわりにチューニングを施し、専用のエアロパーツやマフラーを装着し走りに特化したモデルへと変貌させています。

 チューニングされたエンジンはアイドリングのばらつきが発生し、専用カムシャフトへの無償交換が発生するなど尖っていたマツダスピードファミリアは、数あるマニアックなマツダ車のなかでも異質な存在だったことは間違いありません。

・BG型ファミリアGT-R

 1989年に登場した7代目ファミリアは、3ドアハッチバック、5ドアハッチバック、4ドアセダンそれぞれのアンダーフロアを変え、まったく異なるキャラクターを与えて登場しました。そのなかで、3ドアハッチバックはもっともスポーティな役割を担い、ライバルとなるシビックやミラージュに負けない警戒なフットワークと動力性能が与えられています。

 その3ドアハッチバックをベースに世界ラリー選手権(WRC)参戦を見据えて開発されたのがGT-Xで、1.8リッター直4ターボにフルタイム4WDを組み合わせていました。しかし、パワーユニットの配置などにより、ほかの参戦車と比べてパワーアップが困難となります。

 そこで登場したのがGT-R。GT-Xの走行性能をさらに高めるべくターボの大型化やインタークーラーの配置を変更したことなどで最高出力を210馬力までアップ! さらに、大型フォグランプ内蔵のバンパー、エアアウトレットが設けられたボンネットなどを装備し、迫力ある見た目となりました。

※画像は海外仕様

 残念なことにマツダの経営悪化によるWRC撤退のため世界での活躍は果たせませんでしたが、ファミリア史上最強モデルとしてのインパクトを与えました。

・オートザムAZ-1

 1992年から1995年にかけて販売されていた軽スポーツカーのオートザムAZ-1。リヤミッドシップ、2シーター、さらにガルウイングドアを採用、と80年代に一斉を風靡したスーパーカーにも劣らない内容を備えてデビューしたため、発売時は大きな話題となりました。

 もともとは1989年の東京モーターショーに出展されたコンセプトカー“AZ550”をベースに開発され、ショーカーと同様に着脱可能な外板を用意。このスケルトンモノコックと呼ばれる構造は現在も販売されている2代目ダイハツ・コペンに通じるコンセプトで、コンセプトカーでは3タイプの異なる外観を用意していました。

 ただし、市販モデルは販売が低迷したことで、コペンのような複数ボディは用意されないまま販売を終えてしまっています。

 搭載されるエンジンはスズキから供給されたF6A型660cc直3エンジンで、最高出力は64馬力を発揮。エンジンの供給元となるスズキにはキャラとしてOEM供給もされています。

 同車はトランクルームなし、リクライニングは運転席のみとかなり割り切った設計を行いましたが、それが受け入れられなかったことも販売が低迷した理由といえます。

・オートザム AZ-3/ユーノス プレッソ

 マツダが多チャンネル化を進めていた当時に存在したコンパクトクーペ。オートザムではAZ1、ユーノスではプレッソとして販売されていました。発売開始はプレッソのほうが3ヶ月早い1991年3月で、同車には1.8リッターV6エンジンを搭載したことが大きな話題となっています(AZ-3はデビュー時、1.5リッター直4のみを搭載)。このパワーユニットは、1.8リッターとしては世界初となるV6エンジンでした。

※画像は海外仕様

 全長4215mmのコンパクトなボディサイズにウェッジシェイプの個性的なスタイリングを身にまとったAZ1/プレッソは、当時のライバルたちを想定し、「レビン/トレノより優れた居住性+CR-Xよりスタイリッシュなクーペ」をテーマに開発。実際、見た目以上にリヤシートの居住空間は優れていました。

※画像は海外仕様

 しかし、バブル経済が崩壊し、RVブームが到来していた最悪なタイミングでデビューしたこともあり販売は低迷。デビューから大きな改良やマイナーチェンジを施されることなく、1998年に生産・販売ともに終了しています。

まとめ

 ロードスターやRX-7などファンからいまでも愛されるマツダのスポーツカー。ただ、メジャーではないモデルにも強い個性を放っていたモデルが存在していました。

 “らしさ”にこだわって開発されたマツダのスポーツカーは、ロードスターやRX-7以外は成功していませんが、いまだにファンから愛されている理由はそのこだわりなのかもしれません。


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