世界には魅力的なスポーツカーがまだまだたくさん!
3台目は、同じくスズキ製の658ccターボエンジンを搭載している、ケーターハム・セブン170。イギリス伝統のバックヤードビルダーとして、スポーツカーを世に送り出しているケーターハム社の最新モデルです。オープンホイールスタイルで、まるで公道を走るフォーミュラマシンのようなセブンは、幌をつけた状態では乗り降りもままならないくらい、不便なスポーツカー。至れり尽くせりのスポーツカーが多い中にあって、この不便さはなかなか味わえないものでしょう。
しかもコクピットにはメーター、ハンドル、シフトレバーくらいの必要最低限のみ。一般道を走り出すと、周囲のクルマの下に潜ってしまいそうなほど低い着座位置は不思議な体験で、申し訳程度にしかついてないフロントスクリーンで、風と戦いながら運転することになります。この運転は、まさにスポーツ。日本では軽自動車登録で乗ることができるのも珍しいところです。
4台目は、1960年代にモータースポーツで大活躍したA110を現代に甦らせ、新たな魅力で人々を虜にしている、アルピーヌ A110。昔の面影の残るスタイリングは流麗で美しく、全長4.2mそこそこのコンパクトさも日本で乗るにはちょうどいい大きさです。
ミッドシップに搭載した1.8リッター直4ターボ+7速DCTのフィーリングも小気味よく、自分の体と一体になったような爽快感が味わえます。250馬力/320Nmというパワーを、このクラスでは軽量の1110kgに抑えたボディで操るため、コーナリングも軽快。ハンドルを切ればスッと向きを変え、出口からの加速もあっという間で、ずっと乗っていたくなるスポーツカーです。
5台目は、2023年で初代誕生から60周年となるポルシェ 911。その理由は語るまでもなく、一度乗れば手放したくなくなる走りの楽しさのひと言に尽きるわけですが、お勧めする理由はもうひとつあります。というのは、911はこれまで販売したモデルの現存率がなんと70%にのぼるという、驚異の長寿スポーツカーなのです。
それはポルシェ自身が、旧車の長寿命化を徹底してサポートしていくと宣言しており、ポルシェを知り尽くしたスペシャリストたちが、5万点を超える純正スペアパーツを供給してレストアをする、「ポルシェ クラシック パートナー」の拠点が日本を含む世界中に設けられているから。911を手に入れたら、オーナーが気の済むまで乗り続けることができ、望めば息子や孫にまで受け継いでいくことができるというのは、素敵なスポーツカーですよね。
ということで、スポーツカーを手もとに置くのがだんだん難しくなっている時代だからこそ、惚れ込んだスポーツカーとは一生を添い遂げたいと思う人も多いはず。飽きずに乗り続けられるスポーツカーと出逢うことは、とても幸せなことだと思います。