フロントフード下には太陽光発電パネル!
プロジェクト・マイバッハと名付けられたコンセプトカーは、現状でマイバッハのカタログにはない2ドアクーペ。ボクシーなボンネットラインがテールエンドまで続く、鉋(かんな)のような平たいボディに、キャノピーのような曲線を描くルーフラインは何物にも似てない……、と考えたところで閃きました。サンダーバードに出てきたFAB1、いわゆるペネロープ号ですね。あちらはロールスロイスをフロント4輪、リヤ2輪の6輪へとカスタムし、戦闘機かのような(フロントに機関銃を装備していたのでちょっとした戦闘マシンですけどね)グラスキャノピーを載せていました。もちろん、個人的デジャブで、ちょっとした偶然や思い過ごしかもしれませんがね(笑)。
きれいなサーフェスの四隅に配置されたタイヤ&ホイールは大径のブロックパターンで、オフロードやら土埃の雰囲気に満ちています。スチールホイールかのような意匠ですが、さすがのマイバッハですからアルミホイールとのこと。いずれにしても、ミルクティのようなボディカラーと同色にしているあたり、手抜かりのないデザインといえるでしょう。リベットが見えるオーバーフェンダーにしても、こういうスタイルには欠かせないパーツでしょう。
また、同色といえば、ルーフラインに沿ったラックやパイプ状のサイドステップもまた同じカラーに塗られており、グラスキャノピーやフロントフード、トランクフードとのコンビネーションを引き立てているかと。
そして、ガラス状のフロントフード下には太陽光発電パネルが仕込まれており、動力やら電力(の一部?)を賄うものとされています。なるほど、炎天下の砂漠なんか走っていたらビンビン発電してくれそうです。が、パワープラントやパフォーマンスといったハードに関する情報は未公表となっており、今後のマイバッハになにかしらフィードバックでもあるのかどうかも不明です。
インテリアもまたアブローらしく構築的なデザイン。アウトフィールドとラグジュアリーのミックスが絶妙で、これなら中東あたりの大金持ちが欲しくなるのも納得です。全長もマイバッハサイズ、というか6メートルもあるので、LAでもギリギリ、やっぱり砂漠あたりがちょうどいいサイズかもしれません。
それにしても、41歳という若さでこの世を去ってしまったアブローの才能は惜しいもの。生きていれば、コンセプトモデルだけでなく、きっと市販モデルだって手がけていたはずです。メルセデスやマイバッハだけでなく、さまざまなメイクスのアブローモデルを見たかったというのは、きっと誰もが望むところではないでしょうか。