この記事をまとめると
■歩行者の道路上での危険行為があとを絶たない
■乗り物だけでなく歩行者も道路交通法で罰せられることがある
■今回は5つの例を挙げて解説
道交法には歩行者の義務についても書かれている
昔から横断歩道は歩行者優先だと教わってきた人が多いからか、いつの間にかそれが「道路上でいちばん偉いのは歩行者だ」というような意識になっている人をよく見かけます。赤信号でも平気で道路を横断したり、近道だからと斜め横断をしたり、スマホを見ながら横断歩道で立ち止まったり。でもそれらはすべて、道路交通法における違反行為。たとえ歩行者といえども、いちじるしく交通を乱したり、重大な事故につながるようなことがあれば、取り締まりを受けることになるのです。今回はそんな、歩行者が罰せられることのある道路交通法の規則をピックアップします。
まず1つ目は、違反によって重大な事故、または命を落とす可能性もある規則が、道路交通法第一章第7条に定められている「信号機の信号等に従う義務」です。これは車両だけではなく、「道路を通行する歩行者又は車両等は、信号機の表示する信号又は警察官等の手信号等に従わなければならない」と、はっきりと「歩行者」にも義務があると定められています。クルマがきていないからと、軽い気持ちで赤信号の横断歩道を渡ってしまったことがある人もいると思いますが、これは違反行為だと心にとどめておきましょう。
2つ目は、道路交通法第二章は「歩行者の通行方法」について第十条から第十五条まで定めたもの。そのいちばん最初に出てくる「通行区分」で、原則として道路の右端を歩くこと、やむを得ない場合を除いて歩道を通行することが定められています。車道と歩道の区別のない道路では、右でも左でもどっちを歩いてもいいんでしょ、と思っていた人も多いかもしれませんが、左端を歩いていいのは、道路の右端を歩くと危険だったりやむを得ないときだけ。そして、歩道等と車道の区別のある道路では、「車道を横断するとき」「道路工事等のため歩道等を通行することができないとき、その他やむを得ないとき」以外は、歩道等を歩くことが定められています。前にいる歩行者を追い抜こうとしたときなど、むやみに車道に出て歩いたことが原因で、事故を引き起こしたり身の危険を高めてしまうこともあるので、これも気をつけたいですね。