新車を買っても乗れるのは数年後! そんな納期遅延地獄のなか「高級輸入車」の状況を調べてみた (2/2ページ)

一般的な国産モデルでも納車に時間がかかる異常事態

 かように、人気の高級車における“クルマが買えない”状況についての事例を紹介してきましたが、では普通のクルマ(=国産一般車)はどんな具合なのでしょうか。そこで、筆者の呑み友達である某ドイツ系インポーター広報から某大手燃料系会社に転職した業界人に、最近の国産車の動向について単刀直入に聞いてみました。お酒を呑みながら(笑)。

 すると、「僕が勤める燃料系会社は国産普通車およびEVのリースもやっているので国産車の状況はつぶさにわかりますよ。国産車、それも大衆車ならは契約→ほぼ即納車が当然でしたが、ここ最近は軒並み10カ月待ちですね。フルモデルチェンジまもないトヨタ・シエンタは人気が集中していたこともあって、1年以上待ちという話を聞きます。そうそう、高級車のアルファードはもうすぐデビューする新型に予約が殺到することを見越してなのか、現行モデルのオーダーを受け付けていないようです」と、長々と語ってくれました。さらには「日産リーフの新型は大人気なので、外車並みに待たされているようです。しかも、2023年春から、一気に100万円も値上げですから!」とも。

買えない今、クルマファンはどうしたらいいのか!?

 さて、こうした“クルマが買えない”異常な状況は、先ほども申し上げたとおり人気車種に集中しています。その人気車種が、いずれも供給が少ないことが「クルマが買えない」、すなわち「ディーラー(マーケット)にクルマがない」という状況を作ってしまうのです。つまるところ、需要と供給のバランスが崩れたことによる“品薄状態”なのです。

 そのバランスを崩してしまったのは、ご存じのように「コロナ禍による慢性的な労働力不足」であり「ロシア・ウクライナ紛争によるレアメタルの輸出制限」であることは間違いありません。そうそう、レアメタルの事例をお話ししましょうか。じつは筆者の弟がホンダの大型バイクに乗っているんですが、彼はプラグ交換でディーラーに持って行ったところ、3週間も待たされてしまったのです。そう、プラグにはイリジウムという希少金属が使われていたんですね〜(笑)。

 また、先述の某大手燃料系会社勤務の業界人は、「じつはクルマに当たり前のように付いているナビシステムの製造が、クルマの生産に追いついていないことも“クルマが買えない”状況を作っています。コロナ禍による労働力不足の影響ですね」と語っています。

 しかし、このサイトをご覧の皆様は経済評論家でもありませんし、ましてやジャーナリストでも政治活動家でもありませんから、社会の歪みを糾弾する気はないでしょう。正直でピュアなクルマ好きの皆様ができることといえば、クルマに乗れないいまこそ、クルマの真実や魅力について深く掘り下げてみてはいかがでしょうか。乗りたいクルマのボディサイズや車両重量はもとより、エンジンの形式や排気量、最高出力や最大トルクについて、サスペンションの形式についてなどを、カタログや専門誌、ネット等でチェックしてみるといいんじゃないでしょうか。そうすればクルマの良さが再認識できますし、もっともっとクルマのことが好きになれますよ。


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