この記事をまとめると
■クルマの電子制御技術について解説
■電子制御技術への依存度は日増しに大きくなっている
■いまや電子制御技術なくしてクルマは成立しない
あらゆる箇所に電子制御が用いられている
自動車が進化してきた歴史を振り返ると、ある時代まではメカニカルな進歩に終始したが、電子制御技術が使われ始めると、こちらへの依存度が日増しに大きくなってきたことに気付かされる。
体感できる電子制御技術の恩恵という意味では、その最初は電子制御式燃料噴射装置ではないかと思うが、その後は自動車を構成するあらゆる箇所に電子制御が用いられ、現在では電子制御技術を抜きにした自動車の成立は不可能な状態となっている。
電子制御技術は、文字どおり電子回路を使った車両各部の制御技術のことで、基本的には入力情報に対して瞬時に制御の正解値を導き出し、その適正値によって車体各部の動きを制御しようとする働きである。もちろん、電子回路に直接車体各部のメカニズムを動かす力はなく、実際には、制御信号を受け取った油圧回路や電気回路が行うが、瞬時に車両制御の最適値を演算できる電子制御システムの効果は絶大と言ってよい。
さて、自動車の機能に対して多方面におよぶ真価を発揮している電子制御技術だが、クルマ好きにとって最も関心のある事柄、速く走ることに対して、どれほどの技術が開発、投入されてきたかについて振り返ってみることにしよう。