この記事をまとめると
■3代目ジムニーの魅力を紹介
■1998年から2018年までの20年ほど販売されていた実績を持つ
■細かなマイナーチェンジを繰り返しており、10モデルに分けることができる
いまでも根強い人気を誇る3代目ジムニーをプレイバック!
現行ジムニーの人気が続く中、ふと思い出すのが先代となる3代目。熱狂的なジムニーファンからの人気はそれほど高くない3代目ですが、改めて振り返ると多くの魅力を備えています。
そんな3代目ジムニーをプレイバックしていきましょう。
3代目ジムニーとは
1998年10月に登場した3代目ジムニー。同年10月に軽自動車新規格が発行されたこともあり、3代目は小型車登録となるジムニーワイドが先行発売されています。
2代目から3代目にフルモデルチェンジされた際、従来型のファンやユーザーが驚いたのがそのスタイル。無骨さが特徴だったジムニーのエクステリアデザインでしたが、3代目はプレスドアの採用やフラッシュサーフェス化されたボディ、空力性能を重視したボディ側面など、洗練されすぎたことがジムニーファンにとって衝撃を与えたのです。
この変化は手強いライバル、パジェロミニが登場したことが大きな影響を与えていますが、ボンネット一体型の縦スリットグリルなど、オフローダーぽい要素が備わっていたことで、無骨すぎて敬遠していた新規ユーザーには魅力的なモデルへ進化していました。
3代目は歴代モデル同様デビューからさまざまな改良が加えられ、長期に渡り販売されていきます。2代目ほどの大きな変化はありませんでしたが、それでもエンジンや安全装備などに改良が加えられ、2018年まで約20年に渡り販売されました。
デザイン
先程、お伝えしたように2代目とは大きく異なるデザインを採用した3代目ジムニー。新時代のオフローダーとも称されたエクステリアデザインは、2代目の角張ったボディとは異なり、張りのある曲面で構成したもの。フロントグリル一体型のボンネットなどを含め、初代、先代までの無骨なフォルムから都会に似合うクロカンへと進化したのです。
5本スリットのフロントグリルや太いBピラー、ロールバーをイメージしたサイドウインドウなど、オフローダーにふさわしいワイルドなテイストもちゃんと取り入れていました。
とはいえ、生粋のジムニーファンにとって3代目の精悍なフォルムは、“らしくない”といまだに不人気でもあります……。
一方、インテリアデザインはというと、こちらも乗用車テイストを重視したものへと変化しました。操作性やメーター類の視認性などが大きく向上しましたが、ぱっと見、当時のスズキ軽自動車との差が少なかったことでこちらも賛否がわかれています。
プラットフォーム
3代目と2代目で大きく違うのがボディ。商用貨物車として開発されてきた2代目とは違い、3代目は乗用車専用として開発され、当時、他のスズキ軽自動車と同様にTECTと呼ばれるボディを採用しました。
TECTとは高張力鋼板を多用するとともに、さらに強い耐性を備えた超高張力鋼板をも利用した軽量衝撃吸収ボディのこと。衝突時の衝撃を吸収し、効率よく分散する骨格構造を持ち、しかも高い衝撃安全性を保ったまま軽量化を実現したのが特徴です。
とはいえ、3代目も歴代モデル同様に悪路性能を重視したオフローダー。先代同様、3リンク式コイルリジットサスペンション、ラダーフレーム構造は踏襲しています。
先代のモデル途中から装備された3リンク式コイルリジットサスペンションは、同軸上にあったショックアブソーバーとスプリングを別軸レイアウトに変更。路面からの衝撃をサスペンションが効率よく分散・吸収することで、オフロードはもちろん、オンロードでの快適性が向上しました。
パワーユニット・4WDシステムなど
デビュー時に搭載されたパワーユニットはK6A型660cc直3ターボエンジン。最高出力64馬力を発揮するこのエンジンは、オンオフ問わずに高い走行性能を誇りました。このエンジンは、2002年に行われた一部改良でインタークーラーを大型化しインテークマニホールドの設計変更したことで、低速時のトルク向上を実現しました。
さらに、2008年には加速性能と実用性向上を果たすためシリンダーヘッドを改良。前回の改良よりさらに低回転域におけるトルクが増しています。
トランスミッションは5速MTと4速ATが用意されました。
4WDシステムは先代同様、パートタイム式を装備。トランスファーにはドライブアクション4×4を搭載し、レバーにより走行中に2WDと4WD切り替えが可能となっています。この操作は2004年の一部改良でレバー操作からボタン操作で行えるように変更されました。
インテリア・装備など
乗用性能が大きく向上した3代目のインテリアも当然、進化しています。
インパネそのものは、先程お伝えしたようにオーソドックス、というか無個性ではありましたが、その機能性は抜群。メーター類の視認性を高めるレイアウトを採用し、オドメーターなどは液晶デジタル式となりました。
エアコンはマニュアル式ではありましたが全車に標準装備。エアフィルターが備わっていたことでオフロードを走行するときのホコリはもちろん、花粉なども車内に入ることを防いでくれています。無個性なインパネですが、2004年の改良でインパネの形状を一新。エアコンの空調操作パネルがダイヤル式になるなど、機能性がより高められるとともに質感も向上しました。また、メーターもLED発光式へと変更しています。