おいビートル! いつまで1速でひっぱるんだよ【愛車の大好きだけどココだけはダメだった点 山本晋也編】 (2/2ページ)

パッケージングはいいが細かいところが気になった

 そんな風に気に入ってはいたのですが、結局最後まで慣れることができなかったダメ出しポイントは「助手席側ドアミラーの角度調整」だったのです。

 身長165cmと日本人の平均としても低い筆者個人の問題かもしれませんが、自分の運転しやすいドライビングポジションに合わせると、どうしても助手席側ドアミラーの角度がしっくりとこないのです。5年近く保有していたのですが、ついぞ最後まで納得できる調整はできず、つねに不満を覚えた状態で乗っていたのでした。

 オープンカーオーナーであればおわかりのように、ソフトトップをクローズした状態というのは振り返ったとしても斜め後方はほとんど見えません。ですからドアミラーが頼りという面は大きいのですが、その調整が自分に合わないという点は日々のストレスとして蓄積していったわけです。

 さらにストレスとなったのはフォルクスワーゲン・グループのコアテクノロジーともいえる「DSG」、一般名詞でいうとデュアルクラッチトランスミッションとなりますが、1.2リッターSOHCターボで前輪を駆動するザ・ビートルは7速DSGが備わっていました。

 この7速DSG、乾式クラッチを採用しているためなのか、どうにも坂道発進が苦手な特性となっていました。普通にABペダルを踏みかえてみたり、サイドブレーキを引いてみたり、左足ブレーキを駆使してみたり……いろいろな乗り方を試してみましたが、坂道発進で1速にロックしたようになってシフトアップが遅れる(1速で高回転まで引っ張る)という制御は最後まで気になり続けました。

 新車時から気になっていた坂道発進でシフトアップが遅れるという症状は、距離を重ねてくるとさらに気になるようになってきました。アクセルを抜くとシフトアップしませんし、アクセルを踏んでいくと前のクルマに迫ってしまいますし、なによりエンジンが高回転までまわっているのは、ザ・ビートルのキャラクターからするとスマートではありません。

 スタイリング、パッケージ、なにより4座オープンとは思えないしっかりとしたハンドリングは期待以上で最後まで不満はなかったのですが、ドアミラー調整と坂道発進が苦手なDSGといった部分が、最終的に「あばた」に感じるようになったことが2度目の車検を前に手放した大きな理由です。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

愛車
スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
趣味
モトブログを作ること
好きな有名人
菅麻貴子(作詞家)

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