任意保険も標準付帯するKINTOは割安感がある
このような中古車価格の高騰は異常だ。いつになるかわからないが、新車の納期が通常の状態に戻ると、中古車価格も下がる。現時点で価格が高騰した中古車を買うことは推奨しにくい。
そこでサブスクリプション(定額制カーリース)も候補に挙がるが、内容はさまざまだ。割安度が強いのは、トヨタの運営するKINTOになる。
KINTOの一番の注目点は、年齢などの条件を設けない任意保険を車両保険まで含めて標準付帯することだ。全年齢保証の任意保険に家族限定などの条件も一切付けないと、車両保険まで含めた任意保険料は、高価格車でなくても年額20万円前後に達する。KINTOではこの任意保険が標準付帯されるから、若年層が運転する場合は割安度が強まる。
また、KINTOは納期も短い。たとえばノア&ヴォクシーは、納期が短くても9カ月、長いハイブリッドになると1年半ほどを要するが、KINTOなら1.5〜2カ月で納車される。
その代わりKINTOでは、契約期間が終わると車両を返却せねばならない。現金購入などにより車両の所有権を手に入れて廃車にするまで使うことはできない。盲導犬を含めて動物の同乗もできず、走行距離の規定もある。これらに逸脱した使い方をすると、車両の返却時に精算が発生する。したってすべてのユーザーがKINTOを利用できるわけではない。
以上のように一長一短だが、中古車については、前述の通り価格が高騰しているので不利になる。一般的な手段は、いま所有している車両を大切に使い続けることだろう。
そうなると、当然ながら長期間の所有になり、低年式の車両も増える。自動車税や自動車重量税では初度登録から13年を超えた車両は増税されるが、いまは新車を買いたくても不可能な状態だ。
コロナ禍で所得が減り、物価の高騰に苦しむ人も多い。13年を超えた車両の増税は、不幸を生み出す悪法だから、即座に撤廃すべきだ。