この記事をまとめると
■国産車で雪道に強いクルマをピックアップ
■4WDであることは必須条件
■各ジャンルからそれぞれ1台を選んだ
雪道でも安心して走れる国産4WDをピックアップ
2023年の冬は10年に一度の寒さといわれ、各地で降雪による交通トラブルがニュースとなっている。雪道といっても積もったばかりの新雪と、踏み固められたアイスバーンでは特性も走り方も異なるものだが、いずれにしても滑りやすいのは変わらない。
そうなると、圧倒的に4WDやAWDと呼ばれる4つのタイヤすべてを駆動させているクルマが有利だ。同じ駆動力をふたつのタイヤで路面に伝える場合と、4つのタイヤで伝える場合は、単純に言って後者では1本あたりの負担が半分になり、それだけタイヤに「余裕がある≒滑りづらい」からだ。
10年に一度の寒波に最強な4WD車とはどのようなモデルなのか。軽自動車、コンパクトカー、ミニバン、スーパースポーツカーの4ジャンルにおいて、独断と偏見でチョイスしてみたい。
雪道に強い軽自動車といえば、いわずもがなスズキ・ジムニーであろう。
タフなラダーフレームに副変速機を持つパートタイム4WD機構を載せ、大径タイヤを履いたジムニーは軽自動車というカテゴリーに限らず、日本車ではトップクラスの走破性を持つ本格クロスカントリー4WD。副変速機でローを選べば、新雪を蹴飛ばすほどの駆動力を発揮できるし、最低地上高も205mmと余裕があるので、深い轍も問題なし。
大径かつ幅の狭いタイヤサイズは面圧を稼げるので滑りやすい路面に強い。もっとも、標準装着のタイヤで雪道を走るのはオススメできない。このあとでピックアップするクルマにもいえることだが、雪道を走るのであればスタッドレスタイヤを履いておくべきだ。
コンパクトカーでは、ダイハツ・ロッキーが挙げられる。姉妹車のトヨタ・ライズでもメカニズムは同じなのだが、クロスカントリー4WDモデルにも使われたことのある名前に敬意を表して、ここではロッキーを選んでおきたいと思う。
1.2リッターエンジンのハイブリッド仕様に注目が集まりがちなロッキーだが、4WDは1リッターターボエンジン専用の駆動方式となっている。このエンジン、最大トルクは140Nmと太く、最高出力も98馬力となかなかにパワフルだ。
駆動システムは、「ダイナミックコントロール4WD」と名付けられたもので、前後トルク配分を電子制御で最適化するというもの。リッタークラスのコンパクトカーとしては期待以上に贅沢なシステムを積んでいる。全グレードで最低地上高185mmを確保しているあたりも、ロッキーという伝統の名前にふさわしいディメンションといえそうだ。