この記事をまとめると
■「この先急カーブ」などと書かれた警戒標識がある
■山道だけでなく高速道路でも見られる
■「急カーブ」の基準について解説
「曲線半径」がひとつの目安になる
山道だけでなく、高速道路でも時折見かける「この先急カーブ」といった警戒標識。
走ってみると、大した急カーブでもなかったり、本当にかなり回り込んだコーナーだったりすることがあるが、「急カーブ」の基準のようなものはあるのだろうか?
急カーブかそうでないかは、コーナーの曲線半径と通過する速度の関係で変わってくるわけで、そのひとつの目安になるのは、道路構造令第15条の「曲線半径」だろう。
ここに道路の設計速度に応じて、曲線半径の推奨値と最小値が示されている。設計速度と曲線半径の関係は、以下のとおり。
120km/h 推奨値=710R/最小値=380R
100km/h 推奨値=460R/最小値=380R
80km/h 推奨値=280R/最小値=230R
60km/h 推奨値=150R/最小値=120R
50km/h 推奨値=100R/最小値=80R
40km/h 推奨値=60R/最小値=50R
30km/h 推奨値=30R
20km/h 推奨値=15R
実際は、コーナーの曲線半径だけでなく、勾配の有無なども急カーブの要因になってくるが、高速道路で250R以下のコーナーは、基本的に急カーブといってもいいだろう。
2008年にタンクローリーが横転・炎上した首都高速5号池袋線の熊野町JCTは、85R(制限速度は50km/h)なので、かなりのタイトコーナーだ!?(首都高速の最小は西新宿JCTの36R)
つまり、高速道路でも一般道でも、上掲の推奨値よりRが小さいコーナーは、急カーブだと思って間違いない。
ちなみにサーキットだと、鈴鹿の130Rは、半径130mなのにハイスピードコーナーの代表格。F1マシンだと300km/hオーバーのエントリースピードで進入するが、公道であれば、設計速度60km/hの急カーブといったところ?
そして筑波サーキットの第1・第2ヘアピンは、いずれも25Rだ。
余談だが、東京都檜原村の檜原街道(主要地方道33号線)には、「超急カーブ」の路面表示がある30Rのカーブもある。道路標識令には「超急カーブ」という表記は設定されていないが、ここは例外的に認められているらしい。
いずれにせよ急カーブの警戒標識には、カーブの半径「R」が併記されることになっているので、「この先急カーブ」の警戒標識を見かけたら、「急カーブ」の文字よりRの数字に注視して、十分減速して進入すること。とくに高速道路や主な国道の急カーブは、最初はゆるく、徐々にきつくなる「クロソイド曲線」で設計されているので、入口で油断しないことが肝要だ。