値下げは既存ユーザーにとってもメリット!
そういう考え方は、こと自動車という製品、ましてや“高級車”と言われるカテゴリーのクルマにはなかったものだ。価格はそう簡単に変わることがないし、半導体不足になれば販売することを止める。
けれどもそこのところが製造コストが高過ぎて動きが取れない高級車とテスラは違う。よく「テスラは高級車ではなく高額車である」と自虐的に言うユーザーがいる。“高級車”に乗って見栄を張りたい人にとっては申し訳ないが、まさにテスラは、いつ“低額車”になってもおかしくはないのだ。ではすでに購入したユーザーにとって値下げは損をしたことになるのだろうか? いやじつを言うとそうでもないのである。
テスラは高度にネットワーキングされたクルマである。ソフトウェアが頻繁にアップデートされ、バージョンアップして新たな機能が追加されて便利になったり、安全性が向上したりする。
その機能こそが、低価格になって多くの人々がテスラに乗るようになればなるほど早く的確に向上していくことが期待されるのだ。数百台のクルマから得られる情報よりも、さまざまな環境で走る数百万台から得られる情報を分析したほうが、そのクルマの欠点や改良すべき点がより明確になり、私たちがいま乗っているテスラにバージョンアップというカタチで反映される。だからこそ、すでに購入したユーザーにとっても数多くのテスラが世界中で走れば走るほど歓迎すべきことなのである。
充電環境に関しても、巷に多くなったテスラユーザーの需要を満たすために、テスラ独自のスーパーチャージャーという急速充電設備が、より多く設置されることだろう。このことも既存のユーザーにとっても悪いことではない。
モノは欲しいときに購入すれば満足度が高い。テスラだってそうだ。ましてや納車が早いとも言われているテスラ。そう「買いたいときに買う」のが一番なのである。