この記事をまとめると
■停止線では20~30センチぐらい手前で止まれるのが理想
■しかし停止線を少しオーバーしてしまうことは珍しくない
■その場合どうするべきか、警視庁交通相談コーナーに訊いた
停止線を越えてしまったらどうすればいい?
交差点などに停止線が引かれている場合、どこでクルマを止めるかは意外にセンスが問われるところ。
はみ出るのもアウトだし、手前過ぎるのも車両感覚の鈍さの証でかっこ悪い……。
道路交通法には、「車両等は、停止位置を越えて進行してはならないこと」と明記されているので、本来はバンパーの先端でも停止線を越えたらNGとなる。停止線の手前20~30センチぐらいのところで停止できれば上出来。
とはいえ、現実には停止線を少しオーバーしてしまうことは珍しくない。こうした場合、バックして停止線の内側まで戻った方がいいのだろうか?
警視庁交通相談コーナーに訊いてみたところ、以下の回答が得られた。
「まず交差点で、停止線を越えて止まった場合、厳密にいうと信号無視、あるいは交差点等進入禁止違反で取り締まりの対象になってしまいます。
ただし、バンパーがはみ出たぐらいでは、大きな危険があるとはいえないので、違反キップを交付されるようなことはなかなかないはずです。
信号機のある交差点であれば、赤信号になる前に、黄色が点くわけですから、それを見て無理をせず、余裕を持ってブレーキをかけていただき、きちんと停止線の手前で停車してもらう。これが大前提となります。
それを踏まえた上で質問にお答えしますと、停止線をはみ出て止まってしまった場合、バックで戻るのは控えていただいたほうがいいでしょう。
バックモニター付きのクルマも増えているとは思いますが、やはりバックすると後方に対し危険が伴いますし、再発進時にギヤの入れ間違いなどが生じる可能性もあります。
状況によっては、バックすることで安全運転義務違反になるケースも考えられますので、少々はみ出てしまったとき(例:停止線ははみ出ても横断歩道には被っていない)、そして右左折してくるクルマなどに妨害性がなければ、バックをせずに、そのまま信号が変わるのを待っていてください」
というわけで、停止線からはみ出てしまったら、バックをしないでその場で待機というのが、ひとつの基本。
しかし、クルマを止めたい位置に、ピタリと止めるというのは、重要な運転スキルなので、信号や周囲のクルマの流れをよく観察し、停止線の手前できちんと止められる集中力を発揮するよう心がけよう。