鉢合わせないための先読みが重要
ただし、これはマナーであってルールではない。なぜならケースバイケースで「譲り合い」の最適解は変わってくるからだ。
狭い峠道などでは、ところどころに待避所と呼ばれるすれ違いのためのスペースが設けられていることが多い。上り側が少しバックすればすぐに待避所があるようなシチュエーションであれば、上り優先を貫くのではなく臨機応変に対応すべきだ。
軽自動車と大型車が鉢合わせしたような場合であれば、大型車が止まって軽自動車サイドが動いたほうがスムースにすれ違えるケースもあると考えられる。
同じような車種であれば、理想的には運転が上手いほうが動いてすれ違うほうがスムースにいくだろう。いずれにしても、リスクが小さくなるように判断すべきだ。
とはいえ、鉢合わせした同士、どちらの運転が上手いかというのは判断するのは不可能ではある。若葉マークや紅葉マークがあれば判断基準にはなるかもしれないが、結果的には身振り手振りなどでコミュニケーションを行なうことが重要になる。
そもそも論でいえば、鉢合わせしないようにする意識が大切だ。
峠道のようなシーンであれば、カーブミラーを確実に確認するのはもちろん、走行音などから対向車を認知したら待避所を利用してやり過ごすようにしたい。
道の狭い市街地についても、そこが近道であっても基本的には利用しないというスタンスでいたほうがリスクを低減することができる。スマホアプリのルート案内によって、意識せず知らずに入ってしまうことはあるかもしれないが……。
「急がばまわれ」という格言もあるように、最短距離を進むよりも流れのいい道を選んだ方が結果的には目的地にはやく到着するものだ。すれ違い困難なシチュエーションを避けることこそがスマートドライバーといえるだろう。