2シーターでも想像以上の積載力!
セダン、クーペベースのスポーツモデルのトランクが広めのクルマを紹介してきたが、では、純粋なスポーツカーのなかで、比較的荷物を積みやすいモデルといえば、まずは1990年にデビューした初代ホンダNSX(NA1/2)を紹介しないわけにはいかない。
「ふたりでゴルフに出かけられるスーパーカー」的なコンセプトがあったと記憶しているが、そのためゴルフバッグをクロスさせればなんとか2セット積めるトランクスペースを確保。もちろん、ゴルフバック相当の大型なバッグも積むことができる。
純正オプションとしてホンダ製のゴルフバッグまで販売されていたほどだ(けっこう高価だった)。ただし、ゴルフバッグはなんとか積めても、シューズや着替え用の衣類などを入れたバッグまでは入らず、助手席の足もとに無理やり置くなどの方法が必要ではあった。当時のNSX乗りのゴルファーは、ゴルフバッグ以外の荷物をいかに少なく、小さくするかに”燃えて”いたという逸話を思い出す。
ちなみに2016年から2022年まで製造されたハイブリッドシステム搭載の2代目(NC1)のトランクスペースは奥行約380mm、最小幅約1110mm、高さ約300mmで、幅はともかく、機内持ち込みキャリーケースを積むにも奥行不足。
しかも、「トランクはかなり熱くなるので、スマホ、 パソコンなどの精密機械は車内に置いてください」との説明が開発陣からあったぐらいで、精密機器はもちろん冷凍、冷蔵品を入れるのはもってのほか。ただし、冬は入れたコートがホカホカになって嬉しい一面もあったりした(笑)……。
輸入スポーツカーでは、まずフレンチスポーツのアルピーヌA110だ。
横置きミッドシップレイアウトの恩恵で、ラゲッジスペースとしては、フロント側に浅めの100リットル、リヤに深めの96リットルのスペースが備わる。ゴルフバッグの積載はできないが、ボストンバッグなどを積むにはまったく困らない。
純粋なスポーツカーにして、それ以上のラゲッジスペースを車体前後に備えるのが、ポルシェ718ケイマン。
前後にそれぞれ150リットルの容量があり、前後にラゲッジスペースを持つ718ボクスターに対して、エンジンの真上にも荷物が置けないでもないところが優位点。
極めつけは、BMW M5ツーリング、アウディRS6アバントといった、スポーツカーの心臓を持つステーションワゴンだろう。こちらなら、スポーツカーに匹敵する性能を持ちながら、アウトドアやキャンプにも対応する広大なラゲッジスペースを備えている。あっ、もう少し手ごろなところでは、VWゴルフRヴァリアントもお忘れなく!!