この記事をまとめると
■2021年、先が進路変更禁止になっていることを示す黄色い破線が登場
■矢羽根型とドット型の2種類の目撃情報が相次いだ
■これはABテストが行われたことによる
進路変更禁止の注意喚起が目的
最近、道路に引かれた白線の部分が黄色い矢印に変わっているところを見かけるのではないだろうか。
この先が「進路変更禁止」を示す黄色線になっているということを示す目印として採用されているもので、堅い言い方をすると「進路変更禁止の注意喚起表示」と表現される「矢羽根」型の新表示だ。
正式採用されるようになったのは、2021年6月21日のこと。警察庁の発表を引用すれば『車両の運転者に対し、事前に進路変更禁止区間を知らせ、ゆとりを持って、進行を望む車両通行帯への進路変更を行えるようにすることで、交通の安全と円滑を図ることを目的』として新設された。
警察というと取り締るばかりという悪役的なイメージを持っているかもしれないが、このような注意喚起をしてくれることもあるのだ。
それはさておき、「進路変更禁止の注意喚起表示」は2種類が存在していて紛らわしいという指摘もあったりするようだ。前述したように、この表示は黄色の矢羽根型と定められているはずだが、複数存在しているという指摘はどうして生まれるのだろうか。
じつは黄色の矢羽根型と定める前に、警察庁は注意喚起表示についてのABテストを実施している(2021年1月16日〜3月13日)。
このとき候補となっていたのは矢羽根型とドット型。東京都内2カ所の交差点で、矢羽根型とドット型を試行設置してその効果を確かめている。その2カ所というのが、西麻布交差点(港区)と入谷交差点(台東区)。入谷交差点はドット型を試行後に矢羽根型へ変更、逆に西麻布交差点は矢羽根型を試した後にドット型を試行している。
このテストにより、どちらの注意喚起表示でも同等の効果があることが確認され、設置コストが約26%と大幅に安い矢羽根型を採用することに決めている。