日本のコンパクトカー市場の革命児だった
歴代デミオを振り返る
日本ではデミオとして販売されてきたマツダ2の歴代モデルを紹介していきましょう。
・初代(1996〜2002年)
1500mmと高い全高を備えたコンパクトハッチバックとして登場した初代デミオ。マツダが「マルチパーパスコンパクト」と称したように利便性と機能性が満載のコンパクトカーでした。
全長は3800mmと大きなクルマではありませんでしたが、ステーションワゴンやミニバンの利点となる広い室内区間や多彩なシートアレンジを備えていたことなどで使い勝手は抜群。RVブームが巻き起こっていた当時、クルマを道具と捉えるユーザーから支持を集め大ヒットしています。
用意されたパワーユニットはB3-ME型1.3リッター直4とB5-ME型1.5リッター直4の2タイプ。1.3リッター車には3速AT(※1999年のマイナーチェンジで電子制御式4速ATへ変更)と5速MT、1.5リッター車には電子制御式4速ATと5速MTが組み合わされました。
・2代目(2002〜2007年)
初代のヒットを受け、デミオは2002年に初めてのフルモデルチェンジを行いました。高い利便性と機能性を備えたコンパクトカーとのコンセプトを受け継ぎつつ、エクステリアデザインやシャシーなどを一新。見た目が一気に垢抜けたと話題になりました。
2代目の特徴は「コージー」「スポルト」「カジュアル」と大きく個性が異なった3つのグレードを設定したこと。年齢や性別、走りを重視するかなど幅広いターゲットを取り込むための戦略を行ったのです。
そのため、初代にはなかったキャンバストップや、スポーティ仕様「スポルト」にシーケンシャルモード付き4速ATを用意しています。
ただ、2代目が不運だったのが大きなライバルとなる初代フィットが同時期に登場したこと。デミオをさらに上まわるユーティリティ性能を誇ったフィットが既存ユーザーを奪ったこともあり、初代ほどのヒットとはなりませんでした。
・3代目(2007年〜2014年)
初代、2代目と続いたミニワゴン的フォルムを捨て去り、正統派コンパクトカーへ生まれ変わったのが3代目デミオ。先代比で全幅こそ拡大されましたが、全長は−40mm、全高を−55mmまでサイズダウン。スポーティかつスタイリッシュなコンパクトハッチへと変貌しました。
全高を大きく下げたことで室内長も低くなりましたが、後席のヒップポイントを下げることなどで頭上空間のゆとりは確保されていました。
ボディを小型化したことで軽量化も実現。すでに燃費性能が重視されていた時代のニーズに対応することもボディを縮小したひとつの理由といえます。
デビュー時のパワーユニットは2代目から1.3リッター直4と1.5リッター直4エンジンをキャリーオーバーして使用していましたが、2011年のマイナーチェンジで1.3リッター直噴エンジンの「SKYACTIV-G 1.3」を搭載。3代目の売れ筋モデルは1.3リッター車となりました。
3代目は2014年に4代目へバトンタッチ。現行モデル(マツダ2)も3代目のコンセプトを受け継ぎつつ、高級感を備えたモデルへと進化しています。
まとめ
ひと昔前とくらべセダンのニーズが圧倒的に低くなった日本で(一般)販売することはないと思われるマツダ2セダン。ただ、コンパクトなサイズながらスタイリッシュなフォルムを備えたマツダ2セダンはなかなか魅力的です。
日本にも少なからず存在するセダン好きにとって気になる1台であることは間違いないでしょう。