公園の遊具になることも減りました! 年間で9100万本も出る「廃タイヤ」の第二の人生とは (2/2ページ)

オシャレなアイテムに生まれ変わっている例も!

 また、一見するとオシャレで利便性が高そうなビジネスバッグやトートバッグなど、ファッションアイテムに生まれ変わっている廃タイヤもあります。大人の男性に人気のブランド「ノイインテレッセ」を手がける株式会社モルフォでは、タイヤのゴム層の中に織り込まれ、タイヤが受ける衝撃や荷重、充電空気圧に耐える役割を持つという「超強力ナイロン系」を使用したバッグをラインアップ。従来、タイヤに使用される強力ナイロン糸は、染料が入り込めず染色することが難しい素材だったのですが、特殊製法を施すことによって染色が可能に。一般的な66ナイロンに比べて約15%強い強度を持ち、撥水性も高いことからとても高機能なバッグが完成しているとのことでした。

 もう1つ、欧州をはじめとする美意識と審美眼の高い人たちがこぞって注目しているのが、バリ島発のブランド「indosole(インドソール)」が販売している、廃タイヤをリサイクルしたエコサンダル「エッセンシャル」。耐久性に優れ、クッション性がよく履き心地もいいのだそう。もともと、indosoleの創始者が初めてバリ島を訪れた際に、年間10億個以上のタイヤが行き場をなくして埋められている現状を知り、再利用できないかと試行錯誤して作られたものだといいます。世界中から集まったクリエイターによってデザインされる、シンプルながらオシャレで、カラフルなサンダルはとても魅力的。オシャレをしながら、環境保全にもなっているというのがいいですね。さらに、東京都府中市にある童里夢工房では、廃タイヤのソールに首都高速道路で使われていた横断幕を活用したリサイクルサンダルを製作。横断幕のどの部分が出るのかが1つ1つ違って、面白いサンダルになっています。

 そして最後は、DIY好きの人たちの間でちょっとしたトレンドになっているらしい、廃タイヤをオシャレな椅子などのインテリアにDIYするというもの。タイヤに好きな色を塗り、ホイールがあった部分にネットを張れば、カジュアルに座れるガーデンチェアに大変身。中には、ゴムの部分に縄を巻いて中央に天板を打ち付け、ちゃぶ台のようなテーブルにDIYしている人も。上級者になると、タイヤのゴムを切り抜いて、背もたれの部分やアームレストにすることもできるそう。自分の愛車に装着していて、もう使わなくなったタイヤを利用してインテリアできれば、そのドライブの思い出とともに楽しいお家時間が過ごせそうですね。

 ということで、再びタイヤとして使われるものもあれば、まったく別のモノとして第二の人生(?)を歩むタイヤもある、廃タイヤたち。不法投棄がなくなり、環境への負担もなくなるよう、ぜひ正しくステキにリサイクルされることを願います。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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