休日割引はロードプライシングの一環
東京近郊でいうと、東名は厚木まで、関越道は東松山まで、東北道は加須まで、常磐道は谷田部まで、東関道は成田までは割引対象外のエリアだ。
大阪近郊については非常に複雑だが、名神でいえば大津から西宮までは対象外であるし、新名神では城陽から川西までは対象外の区間となっている。
当然ながら休日であっても対象外のエリアを走行した場合の割引はゼロである。ただし、対象外エリアのインターから高速道路に乗ったとしても、そこから地方部に向かって走った場合は、地方部の走行区間については割引対象となる。
いずれにしても休日割引を享受したければ地方部でドライブするのがおすすめだ。裏を返せば、休日における都市部への流入を減らそうというのが休日割引の狙いといえる。いわゆるロードプライシングの一環と理解すべき割引制度である。
冒頭で渋滞を解決するソリューションについて言及したが、時間や日時、エリアなどによって通行料を変えることで交通量をコントロールしようとするロードプライシング制度は、渋滞対応の施策でもあるのだ。
同様に、交通量を分散させようという狙いでNEXCO各社の管理する高速道路で実施されているロードプライシング的な割引制度が「深夜割引」だろう。
こちらはトラックなどを含めたすべての車種が対象で、実施されているのは毎日0~4時。割引率は同様に30%となっている。対象となる時間帯より前に高速道路に乗ったとしても対象となる時間内、もしくは対象時間帯をまたいで高速道路を利用すれば割引されるというわけだ。交通量の少ない夜間に分散させることが期待される制度だ。
純粋な割引ではないが、似たような制度として「首都圏の起終点を基本とした同一料金」という制度も実施されている。簡単にいうと最短・最安ルートが首都高速を利用したケースで、圏央道や外環道を使って迂回した場合に、同一料金にするというものだ。まさに都市部への流入を減らそうという狙いが感じられるが、本気でロードプライシングとして活用するのであれば迂回したほうが割安になるようすべきだろう。
なお、どの割引制度においてもETCを利用することが基本となっている点は、絶対に忘れてはいけないポイントだ。