映画で憧れても現実は難しい!? 空き缶をガラガラ鳴らす「ブライダルカー」を日本で見かけないワケ (1/2ページ)

この記事をまとめると

■クルマ好きにはブライダルカーに乗ってみたいと思っている人も少なくないだろう

■しかしなぜか日本ではブライダルカーをあまり見かけない

■そこで今回はブライダルカーを走らせるハードルについて解説する

クルマで出発するタイミングがない

 全国の独身男女の皆さんのなかには、初詣で「今年こそ、結婚できますように」と呟いた人も多いかもしれませんね。私も独身時代、明治神宮を参拝してお願いしていましたが、最初の頃は本殿のみにお願いしており、その背後に縁結びのご利益が大きいと言われる「夫婦楠(めおとくす)」があるのにすっかり素通りしていました。この夫婦楠にも手を合わせるようになって数年後、よいご縁を頂きましたので、やはり縁結びのご利益があるところにお願いした方がいいのかもしれないですね。

 さて、すでに結婚を約束したお相手がいて、結婚式のことをあれこれ考え始めるカップルにとっては、クルマ好きであれば一生一度しか乗れない派手な「ブライダルカー」に乗ってみたいと思う人も多いですよね。また、自分の愛車を飾り付けして、ブライダルカーにしたいと計画する人もいるのではないでしょうか。欧米の映画のワンシーンのように、ナンバープレートには「Just Married」の文字を掲げ、ボディをお花やリボンで飾り付けて、空き缶をぶら下げてガラガラと音を鳴らしながら走っていくのもステキです。

 この「空き缶をガラガラと鳴らす」という行為には昔ながらの言い伝えがあって、大きな音を出すことで幸せな2人が通ることを周囲に知らせたり、悪いものを寄せ付けないようにするため、という意味もあるようです。未来へ向かっていく2人を安全に送り出したいという、気持ちのこもった風習でもあったのですね。でもこれ、なぜか日本ではあまり見かけません。それには大きく3つの理由があるといいます。

 1つ目の理由は、日本では神前で式を挙げたあとに、披露宴を執り行うことが多いですね。その後、仲間が多いカップルだと二次会、三次会と深夜まで盛り上がり、最後は披露宴を行ったホテルなどに宿泊して、翌朝にハネムーンへ出発するという段取りになります。となると、招待客に見送られながらカップルだけがクルマで出発するというタイミングがないわけです。もし、同じように宿泊した親族に見送られて出発したとしても、派手に飾り付けしてガラガラと空き缶を引きずったクルマのまま空港に行って、さてそのクルマはどうするの? ということになるわけです。欧米のように大陸続きだと、クルマのままハネムーンに出かけられるのですが、島国の日本ならではの悩みでしょうか。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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