この記事をまとめると
■2022年12月単月の新車販売台数が発表された
■これにより2022暦年締めでの年間新車販売台数も明らかとなった
■現在の新車販売の状況について詳しく解説する
来年度は納期は短縮される可能性も
自販連(日本自動車販売協会連合会)と、全軽自協(全国軽自動車協会連合会)から、それぞれ登録車、軽自動車の12月単月の新車販売台数が発表された。12月単月が発表になるということは、2022暦年締め(2022年1月から2022年12月)での年間新車販売台数も発表されることになる。
登録乗用車の2022暦年締め年間新車販売台数は222万3303台となり、コロナ禍以前で消費増税のあった2019年ではなく、2018暦年締め年間新車販売台数比で約76%となった。一方の四輪軽乗用車の2022暦年締め年間新車販売台数は122万4995台となり、こちらも2018暦年締め年間販売台数と比べると約81%となっている。登録車と軽四輪車の総計でいくと420万台となり、東日本大震災のあった2011年を除けばこの420万台という台数は1977年に約419万台となって以来であり、新車が歴史上国内でもっとも売れた1990年の約777万台に対し約54%までに落ち込んでいると統計数字だけを見れば述べることができる。
それでは新車販売市場が1977年レベルまで落ち込んでいるのかと言えばそうではないとも言える。2022年は年間を通じて半導体不足などにより新車の生産が思うようにできず、人気車では注文しても納車まで1年待ちという状況も珍しくなくなった。つまり、前述した新車販売台数というのは、2022暦年中に何台新規登録(あるいは届け出)できたかのカウントとなるので、これを受注台数に置き換えれば当然の話だがここまでの落ち込みは見せなかったものと考えられる。事実販売現場では「受注台数ベースで見れば、言われているほど落ち込んでいるとは感じない」という声も聞こえてくる。
最近の傾向としては、トヨタが継続するかどうかは別として生産体制を強化しており、実際本稿執筆時点では多くの納期遅延となっているトヨタ車のバックオーダー消化が進み、納期も短縮傾向にあるのを確認している。事情通は「情報では“3月まで”とも聞いています。いまの動きが新年度(2023年度)以降も続くのかに注目したいですね」と語ってくれた。
トヨタや日産、ホンダあたりでは納期遅延どころか新規受注を停止しているモデルもあるが、それ以外の日系メーカーではそこまで大騒ぎするような状況にはなっておらず、一部を除き数カ月で納車になるモデルが目立つようである。輸入車にいたってはすべてではないものの、人気のドイツブランドではほぼ平時に近い供給体制になっているようである。
2022年12月単月でみると、即納できる車両がほとんどないなかでも暦年締め年間販売実績を少しでも上積みしようと努力している様子が数字からもうかがえる。
気をつけたいのが、今後の傾向としてはバックオーダーが膨らまないように、新規受注停止ということが頻発しかねないということである。新車の供給状況はまさに“日替わり”だと思って、新車購入検討時はディーラーからの情報収集を密に行うべき。この状況はまだ当分続きそうである。