リターン勢だからこそ優雅に乗れる
ホンダ NSX
惜しくも2022年10月に生産終了となってしまいましたが、リターンドライバーだからこそ最新鋭のメカで隔世の感を味わうのも乙なものではないでしょうか。リターンとはいえ、平成元年の初代NSXのことは記憶にもあるかと。それに比べると、まさにタイムスリップしたかの進化は「リアル転生」したドライブが体験できるはず。なにしろ、ガソリン+電気というパワープラントや、ミッドシップはついに縦置き、しかも全輪駆動とくれば、もはや乗り物としてのジャンルが違うといっても差し支えないでしょう。
もちろん、スポーツカーとしての仕立ても一流ですから、サーキットでの身のこなしは言うにおよばず、普段の足としてもじつに快適に乗りこなせます。ライバルにあたるクルマも数知れませんが、ここまでフレンドリーなキャラはそうそういませんからね。
だいたい、リターンドライバーにとって1000馬力とか意味不明(笑)。500馬力もあれば、白目むくほどハッピーになれるもの(NSXはシステム総合で581馬力/65.9kgm)。臆することなくアクセルを床まで踏み込んでも安心できるのは、やっぱり国産スーパーカーにほかなりません!
ただし、値段が高いのが玉に瑕、あるいは生産終了しちゃってる、なんてアゲインストもありますが、そういうのを乗り越えたカムバック、リターンというのはロッキー並みにカッコいいのではないでしょうか。
日産 スカイライン400R
クルマにリターンするからには、さまざまな理由、シチュエーションが考えられますが、1台でカバーできるモデルとなると、やっぱりオーソドクスなセダンが無難。とはいえ、せっかくのリターンだけに、クルマ本来の魅力を堪能しないのはもったいない。ならば、オールマイティな4ドアセダンで、しかも搭載エンジンは日産がガチで作った400馬力ユニットというスカイライン400Rを選ばない理由はありません。さらに、ACCの存在も、リターンドライバーをグッと安心させてくれること間違いなし!
また、多少は腕に覚えがあるというリターンなら、VDC(車両安定装置)をオフにすることでFRらしいパワードリフトだっていとも簡単にきめられます。もちろん1.8トン近い車重やディメンジョンからすればシビアなコントロールが求められますが、それとても400Rが持つ本質的な魅力にほかなりません。
「羊の革を被った狼」、古臭い表現ではありますが、400Rを表現するには悔しいけれどこれ以上のものはありません。羊のようなリターンドライバーが、狼の走りを解き放つ姿、なんだかドキドキしてくるじゃありませんか!