2026年にはフェラーリのラインアップの6割がBEVになる
世界はいま、長年自動車の進化を支えてきた内燃機関(ICE)から電気自動車(EV)の時代へと変革を迎えようとしている。フェラーリにとってもその事情はもちろん変わることはなく、最終的な目標は2030年までにカーボンニュートラルを達成すること。
BEVはもちろん、あるいはそのプロセスにおけるHVやPHEVなど、今後は電動モデルの開発にさらに注力していかなければならないが、フェラーリは2026年には全生産台数の60%をBEV、もしくはPHEVに、残りの40%をICE車とする計画。さらに2030年にはBEVを40%、PHEVを40%、そしてICE車を20%とする比率を堂々と主張してみせた。
例の15モデルの中には、これまでのラ フェラーリに至るスペチアーレや、新たなイコナシリーズも当然存在するだろう。とくに前者は、F1マシン直系のエレクトリックシステムを導入した、異次元の速さを持つモデルとなる可能性が高く、そして2025年が発表の予定とされていることから、これがフェラーリ初のBEVとなる可能性の高さも否定できないところだ。
ちなみにフェラーリのBEV、ならびにPHEVは、マラネロの本社工場で生産される予定。その出力密度や重量などには、他社に対しての大きなアドバンテージがあることは容易に想像できる。
2023年に発表される、812の後継となるニューモデルにも、もちろん大きな期待が寄せられている。こちらもおそらくはPHEVのシステムが搭載されるものと思われるが、カスタマーはそれにはどのようなリアクションを示すだろうか。
あるいは現在の296シリーズよりもコンパクトなミッドシップスポーツや4ドアセダン。いろいろと夢は膨らむが、フェラーリがそのようなチョイスをするとは考えにくい。なぜなら、すでに現在フェラーリの年間生産台数は1万台を大きく超え、さらに販売台数の大幅増が期待されるこれらのモデルが追加されれば、プレミアムブランドとしての価値が低下していってしまうからだ。
かつてフェラーリの会長だったルカ・ディ・モンテゼモーロ氏は、その価値を保つための生産台数は、年間8500台程度だろうとコメントしていたことを思い出す。
いずれにしても自動車の電動化という大きなムーブメントのなかで、数年後にはフェラーリのモデルラインアップは大きくその陣容やメカニズムを変化させていることは間違いない。我々はいま、とても面白い時代を生きているのだ。