ゴムの硬化には温度差、水分、紫外線などが影響
寿命の判断基準は硬さにアリ
年数が正確な寿命ではなく、日常の点検や使用・保管方法によって変わってくるものであるならば、タイヤの寿命はどう判断すればいいのか? その一つがゴム硬度と言える。タイヤはゴムを使用しており、ゴムの劣化が性能に大きな影響を及ぼすと言えるだろう。ゴム硬度は0~100までの数値で表されていて、数字が小さいほどゴムが柔らかく性能が落ちていない状態に近いと言える。 あくまでも目安だが、新品のスタッドレスタイヤの場合の硬度は45程度とされていて、55~60で要注意、60で即交換と言われている。
ゴム硬度を調べることが出来るゴム硬度計はタイヤショップなどに常設されているだろうし、インターネットなどで購入することも可能だ。スタッドレスタイヤを装着するシーズン直前に硬度をチェックしておくのも良いだろう。
寿命を延ばすには
ではタイヤのゴムが硬化しないようにするにはどうするべきだろうか。ゴムの硬化には温度差、水分、紫外線などが影響している。装着している時は仕方がないが、保管時はなるべくこれらの影響が少ない場所に保管しておこう。また、スタッドレスタイヤを装着した状態で西日が良く当たる駐車場に止めておくのも好ましいとは言えない。
寿命を大幅に伸ばす裏ワザのようなものはないが、保管中は雨風、そして太陽の光が防げる倉庫などにしまっておくのがベストと言える。ホイールを装着した状態ならば積み上げるような形で、指定空気圧の半分程度にしておくのが最適だ。水分に反応して劣化することもあるので、トレッド面だけでも良いので業務用のラップなどで空気に触れないようにしておくのも良いだろう。
また、スタッドレスタイヤは通常のタイヤと同じように摩耗による劣化も気にしなければならない。低温で性能を発揮するために通常のタイヤよりもゴムが柔らかいため、ドライのアスファルトでは摩耗も早い傾向にある。スタッドレスタイヤにはプラットホームと呼ばれる突起があり、残り溝が新品から50%であることを伝えてくれる。プラットホームまで達してしまったら、これも寿命と言える。摩耗を少なくするにはアライメントや空気圧のチェックなど、基本的なタイヤメンテナンスが重要となる。
スタッドレスタイヤの寿命を大きく伸ばす魔法のような手段はないが、少しの手間を面倒臭がらずに行えば劣化のスピードを遅くすることはできるだろう。冬の道を安全にドライブするためにも心掛けておきたいポイントだ。