この記事をまとめると
■BMWのデザインの変遷を解説
■2000年までは意外なほど保守的だった
■現在は過去の縦型キドニーグリルを再解釈
「iX」がデザイン・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞!
2022-2023日本カー・オブ・ザ・イヤーで、BMWのEVである「iX」がデザイン・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。これで、BMWは昨年度の「4シリーズ」に続き2年連続の受賞となります。いま、なぜBMWのデザインが評価されるのでしょうか。近年の動向からあらためて検証してみます。
じつはBMWオーナーの多くは保守的?
BMWデザインと言えば「キドニーグリル」「ホフマイスター・キング」「丸目4灯ランプ」といった要素が有名。実際、BMWデザインの変遷を扱った記事の類を見ると、キドニーグリルの形状がどう変化したか、ホフマイスター・キングの有無といったものがほとんどで、スタイリング全体については意外に曖昧だったりします。
そこで、コアモデルの「3シリーズ」を例に近年のBMWデザインを振り返ってみましょう。
1975年に登場した初代は、一時代を築いた「マルニ」の後継としてボクシーかつエレガントなスタイルが特徴で、2ドアながら広いグラスエリアが居住性のよさを感じさせました。これは、4ドアが追加された2代目も基本的には同じで、丸味を増しながらも極めて端正な佇まいでした。
1990年登場の3代目は、大型化されつつもカタマリ感のあるウエッジスタイルがじつにスポーティでしたが、面白いのは、続く4代目では再び落ち着いた方向に軌道修正されたことです。ザックリ言って、2000年初めまでのBMWは意外なほど保守的だったのです。