この記事をまとめると
■9ブランドを擁するステランティスグループのなかで日の当たらない存在となっているランチア
■ランチアは100年以上の歴史を誇り、かつてはラリーで活躍もした由緒正しきブランドだ
■新型イプシロンの登場とそこから始まるランチアの復活に期待したい
イタリアのみの販売でラインアップも1台だけ
FCAとPSAが合併してステランティスとなったのは2021年のこと。日本で販売するだけでも、アメリカ・フランス・イタリア3国合わせて9ブランドを擁するほどの大所帯であり、海外ではさらにオペルやダッジなども加わることになる。
そのなかで近年、あまり陽の当たらなかったブランドが、イタリアのランチアだ。
創業はアルファ・ロメオよりやや早い1906年。当初から技術志向が強く、世界初のモノコックボディ(ラムダ)、世界初のV6エンジン(アウレリア)などで一世を風靡した。上質な仕立てもランチアの特徴で、プレミアムブランドのパイオニアのひとつと言っていいだろう。
モータースポーツではF1をはじめ、あらゆるカテゴリーに参戦。なかでも有名なのがラリーで、フェラーリV6エンジンをミッドシップマウントしたストラトスで3年連続WRCタイトルを獲得し、デルタHFインテグラーレでは前人未到の6年連続ワールドチャンピオンを達成した。
ただ、経営は順調ではなく、1969年にフィアット・グループ入りし、その後はフィアットとプラットフォームやエンジンの共通化を推進している。それでもデザインは独自だったし、モータースポーツについては前に書いたようにラリー活動を一任されるなど、明確なポジションが与えられていた。