史上最速のアルピーヌも展示!
45年間にわたるルノー・スポールの大看板は下ろされるとはいえ、その母体にあったのはむしろアルピーヌとゴルディーニなので、むしろアルピーヌって90年代からつい数年前まで、世間で思われているほどノウハウとしての中断はなかったんじゃないの? とウルゴンに問うと、彼はまた笑った。
「確かにその通りだね。昔からルノー・スポールにはアルピーヌにやたら詳しい人がいっぱいいたし。今度はこれまでルノー・スポールで培ってきたものを、またアルピーヌに戻すときが来たね」
同じブース内で緩やかな仕切りを挟んで隣、アルピーヌのほうでは、カタログ・モデルとなったA110Rが展示されている。サイズが前後で異なるだけでなく、空力デザインごとカーボンホイールに注目するのはもちろん、今年から日本に上陸する「アルピーヌ・アイウェア」も見逃せない。
A110のセッティングにもがっつり関わって来たウルゴンが、最後にこう言った。
「じつは来週からラポニー(フィンランドの極寒地)に数週間、開発テストのために籠るんだ。もちろんアルピーヌのEV開発のために」
ニュル最速男のミッションは、まったくもって終わっていないのだ。