この記事をまとめると
■ホンダが東京オートサロン2023に出展
■スーパーGTに参戦する次期車両としてシビックタイプR GTを発表
■ホンダアクセスや無限のパーツを採用したカスタマイズモデルを展示している
ホンダがFFベースのクルマでスーパーGTに殴り込み!
世界最大級のカスタムカーの祭典としてお馴染みの東京オートサロンでは、カスタムカーの展示のほか、新車の発表や今後の事業計画など、さまざまな発表が行われる場としても知られている。
毎年、国内外から多くの自動車メーカーが出展しているのだが、なかでも今年のホンダブースは、遠目から見てもかなり目立つ多くの人の集まりができていた。大衆が目を向ける方向に視線をやると、何やらステージ上に黒布で覆われた1台の巨大なクルマの影が! 形状からしてレーシングカーだろうか。
ステージでは、HRCの社長である渡辺康治氏より、「これからお見せするのは2024年のスーパーGTで戦うNSXに変わる新しいマシンです」とのアナウンス。アンベールされたマシンはなんと「シビック タイプR-GT」と呼ばれる、多くの人の想像を飛び越えたとんでもないマシンの発表であった。
スーパーGTといえば、いまさら語る必要もないであろう、日本では最高峰のツーリングカーレースだ。GT500クラスと呼ばれるトップカテゴリーと、プライベーターも参戦しているGT300クラスに分けられる。現在、GT500クラスには「トヨタ」「日産」「ホンダ」の3社が参戦しており、このうちホンダはスーパーGT以前の全日本GT選手権からNSXを長年使用してきた(2010年から2013年まではHSV010 GTを使用)。
そういった背景もあり、スーパーGTのシーンでは「ホンダ=NSX」のイメージが強かった。そこへシビック タイプRをベースとして投入してきたのだから、新年早々、かなり衝撃的なニュースだ。しかもシビックは、MR駆動やFR駆動のマシンをベースとして使用しているスーパーGTの世界に、FFベースで切り込むのだからなおさらだ(ただしレギュレーションによって駆動方式は変更されることが予想される)。さらに言うと、現状のライバルである「GRスープラ」「フェアレディZ」は、ベースが2ドアクーペにも関わらず、シビックは異例の5ドアハッチバック。なにからなにまでイレギュラーすぎるベース車両なのだ。
まだコンセプトモデルであり、細かいスペックなどはまったく不明ではあるが、HRCとしては、このマシンを通じて「シビックタイプRのブランド価値をさらに高めたい」という想いがあるとのこと。
ちなみに、NSXは販売が終了しているという事情もあるので、存在しないベース車でレースを戦うことになってしまうことからも、HRC的にはなるべく早いタイミングで次期マシンへ移行する必要があったはずだ。
なお、2024年はスーパーGTの車両規則が変更になる年でもあるので、ほかにも大きな動きがあるかもしれない。今回の発表は、スーパーGT新時代の幕開けを予感させるスタートだ。
今シーズンが始まっていないにも関わらず、2024年のレース計画とまだまだ先の話ではあるが、早くも楽しみなニュースが舞い込んだと言えそうだ。