クルマへの愛着マシマシは確実! 「知らずに乗るなかれ」の車名やグレード名に使われるアルファベットの意味 (2/2ページ)

メーカー固有のアルファベット車名も!

 これまでは万国共通、あるいはメーカー共通のアルファベットの意味を紹介してきましたが、今度はメーカー固有の“アルファベット車名”を紹介しましょう。

 まず最初は1990年に衝撃的なデビューを果たし、一旦は生産中止になりがからも2016年に再デビューしたホンダの本格ミッドシップスポーツカー、ホンダNSXです。V6エンジンを積んだ初代モデル、V6エンジン+ツインモーターの2代目モデルとも、パワートレインの違いはあれどホンダが世界に誇るピュアスポーツカーであることは間違いありません。が、この「NSX」というアルファベット3文字にはどういう意味があるのでしょうか? NSXとは「ニュー」「スポーツカー」と未知数を表す「X」を合体させた「New Sports X」の略なのです。すなわち、「新しいスポーツカーを生み出した!」というホンダの、強い意志と行動を押し出した車名なのです。

 次はNSXより一世代前にデビューしたマツダのピュアスポーツ、マツダRX-7を紹介しましょう。1978年にデビューした初代から1991年発売の3代目まで、世界では珍しい高性能ロータリーエンジンを搭載したRX-7。その車名のアルファベット「RX」には、じつは搭載されていたエンジンの意味が込められていたのです。そう、「Rotary engine(ロータリーエンジン)」を意味するRに、スポーツカーとしての未知数を表すXを融合! つまり、マツダが作った「ロータリーエンジン搭載の新しいスポーツカー」という主張が込められた車名なのです。では、「7」はどういう意味があるかというと……前モデルのサバンナRX-3よりも車格を上げる意味もあって、3よりも大きい数字、それも「ラッキーセブン」ということで「RX-7」に決定したとか。

 さらに、トヨタが1984年から1999年まで製造・販売していた小型スポーツカー、トヨタMR2を紹介。じつはデビュー当時、トヨタが大々的に謳っていた“日本車史上初の市販ミッドシップ車”というフレーズが、この車名のアルファベットに込められているのです。MR2は「Midship Runabout 2 seater(ミッドシップ・ランナバウト・2シーター)」の略で、直訳すると「エンジンを前輪と後輪の間に搭載したキビキビと軽快に走る2座スポーツカー」となります。まさにそのとおり、当時の若者はMR2に乗って街や峠を颯爽と走っていたのでした。

 かようにトヨタのネーミングは洒落たものが多くて、1981年に登場して世の中にハイソカーブームを巻き起こしたトヨタ・ソアラはその象徴と言えるでしょう。ソアラ(SOARER)という車名は「最上級グライダー」という意味ですが、その5ナンバーモデルのグレードを示すネーミングもじつに洒落ていました。グレードはVI、VII、VR、VXと4つなのですが、これらは航空用語の「V速度」を示す記号でもあるのです。つまり、トヨタは車名もグレード名も、空を飛ぶイメージで統一したというわけ。う〜む、お洒落!

 このほかにもメーカーの想いや開発意図などを込めたアルファベットを持つクルマはいろいろあります。1985年から1998年までトヨタが製造・販売していたカリーナEDの「ED」は「Exciting Dressy(エキサイティング・ドレッシー)」の略で、当時のハイソカーブームを表す見事な造語と言えます。

 また、現代のトヨタ車には、アルファベットのみの車名のクルマもあります。たとえばC-HRはコンパクト・ハイランダーの略なんですが、まぁ、その意味はすぐにわかるでしょう。

 ところがRAV4なんて「ロバスト・アキュレート・ビークル・ウィズ・4ホイールドライブ」という略で、「SUVという力強さと使用性へのきめ細やかな配慮を兼ね備えた四輪駆動車」という意味を説明されてもイマイチよくわからないクルマもあります。

 皆さんも街を走っているクルマを見て、その車名のアルファベットの意味を想像したり、メーカーのサイトをチェックして調べたりしてはいかがですか。クルマを作る人の思いや、そのクルマのキャラクターがわかって、ますますクルマが好きになりますよ。


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