この記事をまとめると
■「ABS」「オートブレーキホールド」「四輪操舵」の仕組みを解説
■義務化された機能おかげで普及した装備もある
■最近注目されている機能もじつは30年以上前から存在していた
クルマが好きなら最低限知っておきたい機能の仕組み
クルマ好き=メカニズムに詳しいべき、と決めつけるべきではないかもしれないが、それでも最低限のしくみについては把握しておきたいもの。
たとえば軽自動車どころか、原付二種でも装備が義務となっているABSの仕組みについて聞かれたとき、あなたは簡単に答えられるだろうか。
ABSというのは「アンチロック・ブレーキ・システム」のことで、文字どおりにブレーキをかけたときにタイヤがロックしてアンコントロール状態にならないようにするシステム。一般的な四輪車では各輪にタイヤの回転状態を検知するセンサーを配しておいて、そのセンサーがタイヤロック(回転が止まること)を検知すると、ブレーキを緩めてロックを解除するというものだ。
ブレーキを緩めるというイメージから、ABSは制動距離を伸ばしてしまうと思うかもしれないが、ブレーキ全体を緩めるのではなく、アクチュエーター(電磁弁)で構成されるABSユニットによってロックしたタイヤだけブレーキを緩めることができるので、制動距離が大幅に伸びてしまうようなことはない。むしろタイヤのグリップ力を適切に利用することで、数多のドライバーよりは上手なブレーキ制御を期待できる。
さらにいえば、雪道などの滑りやすい路面であれば、「ABSなし」よりも「ABSあり」のほうが短距離で止まれる可能性は高い。本当に危機回避したいケースであればブレーキペダルを思いっきり踏みつけ、ステアリング操作で回避行動をとるのがベターだ。もっとも、常にABSに頼ってフルブレーキを行なうというのは決して誉められた運転とはいえない。あくまで非常時の機能として捉えるべきだろう。