4WDなのに「FFベース」「FRベース」ってどういうこと? 今後は死語になる可能性も大! (2/2ページ)

EVの普及で「FFベース」と「FRベース」は死語になる!?

 一方、1970年代以降、小型車で一般的となってきたFF方式は、パワートレイン系のレイアウトでスペース効率に優れたため、またたく間に小型乗用車の標準的な駆動方式となっていた。このため、乗用車で4WD車を実現するには、FF方式から発展させた4WD方式の確立が必要不可欠な要素となっていた。

 多くの場合、FF車は横置きエンジン/横置きトランスミッション&デファレンシャルユニットの構成だったため、この部分にトランスファーユニットを設ければ、後輪に駆動力伝達を行うことが可能、つまり4WD方式の構築が可能だったのである。これがFFベースの4WD車で、現在の乗用4WD車では主流の方式となっている。

 自動車が誕生した時点で、その駆動方式が4WDであれば、あるいはFRベース、FFベースの4WDという表現は生まれなかったかもしれないが、実際には、自動車はFR方式で発展し、その途中で4WD方式が考えられ、小型車の駆動方式の主流がFRからFFに移り変わると、必然的に4WD方式もFF車ベースで考えなくてはならない状況に変化し、その結果FRベースの4WDとFFベースの4WD、4WDにはこの2タイプが存在することになったわけである。

 ただ、今後EVの時代を迎えた場合、4輪独立のモーター駆動方式が実用化されるとFRベース、FFベースという表現が死語になる可能性もある。駆動方式は1輪につき1モーター、4WDは4WDでしょう、という時代の到来が十分に予見される状況である。


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