競技中に「免停処分」で途中から走行不可! 一般車と事故ってリタイヤ! 公道を走る「WRC」がゆえのとんでもハプニング (2/2ページ)

一般道では速度違反だけでなく一般車両にも注意

 一方、リエゾンでは競技車両のほかに、一般車両も走行していることから事故も多く、時としてリザルトを左右することもある。筆者にとってもっとも印象的なリエゾンでの事故といえば、2011年の最終戦、ラリーGBで発生した“セバスチャン・ローブの正面衝突”にほかならない。

 当時のローブはシトロエンのエースとしてDS3WRCで躍進。計8勝を挙げ、最終戦を待たずに8回目のチャンピオンに輝いていた。

 最終戦となったGBでも、ローブはヤリ-マティ・ラトバラと激しいトップ争いを展開。トップのラトバラに遅れること7.5秒差の2番手で最終日を迎えていたのだが、ローブはリエゾンで逆走していた一般車両と正面衝突。幸いローブおよびコ・ドライバーのダニエル・エレナ、さらに対向車の搭乗者ともに無傷だったようだが、ローブのDS3WRCは大破してしまい、そのままリタイヤすることとなったのである。

 そのほか、近年では2021年のクロアチア・ラリーでトヨタのエースとしてヤリスWRCをドライビングしていたセバスチャン・オジエが最終部にリエゾンで一般車両と接触している。

 幸いマシンのダメージは軽度で、オジエは同ラリーで勝利を飾ったが、オジエは事故現場を離れたことで6カ月間の猶予付き出場停止処分と7000ユーロ(約98万円)の罰金を課されたことは記憶に新しい。

 このようにラリー競技では様々なハプニングが発生するだけに、2023年11月17〜19日に愛知県・岐阜県で開催されるラリー・ジャパンを観戦する際は交通違反および交通事故に注意したい。


廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

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