自動車メーカーにとどまらない幅広い分野に進出
いずれも駆動用バッテリーをフロアと一体化したようなプラットフォームを持ち、リヤあるいは前後アクセルにモーターを置く。この方式、フォルクスワーゲンID.4やヒョンデ・アイオニック5など多くのEVが採用しており、いまや専用設計EVのスタンダードになりつつある。
ただし、モデルYではギガプレスと呼ばれる巨大鋳造マシンでフロント/リヤのフロアまわりを製造するなど、アップデートは着実に行っている。
これ以外に本国ではトラックも手掛けている。大型トレーラーヘッドのセミは2022年秋に生産開始。続いてダブルキャブピックアップのサイバートラックが、2023年に発売予定だ。さらに同じ年には、最初の車種でもあったロードスターが新型に生まれ変わって登場するという。
言い換えれば、最近まで4車種の乗用車だけでトヨタを超える純利益を叩き出したわけで、1台あたりの利益率はかなり高い。モデル3よりさらに安い車種の登場も噂されるが、無理に数を増やさなくてもいいのではないかという気がする。
とはいえ創業者のイーロン・マスクは、スペースXで宇宙産業に進出したのに加え、2022年はツイッターを買収し、ヒト型ロボットを公開するなど、果てしなき野望の持ち主。
新たな分野に挑戦するとなれば、資金確保のためにもラインアップ拡大に乗り出してくるかもしれない。