ジャジャ馬っぷりが楽しい!
3台目は、ATとは思えない速さを見せた隠れホットハッチといえば、3代目のインプレッサWRX STI A-Line。通常の2リッター水平対向4気筒ターボエンジンではなく、2.5リッター水平対抗4気筒ターボエンジンを搭載。トランスミッションにはマニュアルモード付き5速ATを組み合わせていました。
300馬力/43.0kg-mというパワーは2006年当時、国産車トップクラス。さすがSTIと名がつくだけに、MTモデルとの見た目の差はほとんどないのですが、インテリアではMTでは選択できない本革の電動シートやガラスルーフが設定されていて、ちょっとプレミアムなスポーツモデルという位置付けとなっている印象でした。
4台目は、日本で「ホットハッチ」と呼ばれるモデルのひとつである、ルノー・クリオV6。1980年代にWRCで大暴れし、数々の伝説を作ったルノー5(サンク)ターボの再来だと、それはそれは注目を集めたものでした。
ブリッと大きく張り出したリヤフェンダーのラインや、小さなボディにスーパーカーの迫力を備えたところなど、現代のコンパクトカーには真似できない要素がたくさんあります。搭載されるのは、レブリミットが7100rpmという高回転に引き上げられている、3リッターのV6自然吸気エンジン。6速MTでそのパワーを引き出せば、ジャジャ馬ともいえる危うさで駆け抜けていくのです。ドライバーのすぐ後ろから大きな音を響かせるエンジンを感じながら走る、独特の世界観も今のクルマとはまったく違うところです。
5台目は、コンパクトモデルで「ストレートシックス」が堪能できる数少ないモデル、BMW 135iクーペです。BMWのエントリーモデルであるコンパクトカーに、3リッター直列6気筒エンジンを搭載しており、306馬力/40.8kg-mという怒涛のパワーを秘めたモデルとなっています。
V6エンジンでは出せないような、スカッと突き抜けた、1本筋が通ったようなエンジンの存在感をヒシヒシと感じながら走るという、直6エンジンならではの味わい。よくこのコンパクトなボディにそれを詰め込んだなと感心するくらい、見た目からは普通の1シリーズの雰囲気を醸し出しているのも、乗ってからの驚きを倍増させているようです。
近年はエンジンのダウンサイジングがどんどん進み、大排気量エンジンの時代は終焉を迎えつつありますが、だからこそ今一度は乗っておいて損はないモデルたちとも言えそうです。