通信機能による故障の診断も可能
アップグレードには料金が掛かるが、一括払いのほか、毎月の利用料金に含めることも可能だ。利用料金に含めると、使った期間だけ支払えば良いから、アップグレードの出費を抑えられる。
ちなみに従来のメーカーの方針では、アップグレードには消極的だった。クルマを乗り替えずに機能を進化させられると、新車を売りにくくなるからだ。
しかし今は、車内の広さ、居住性、動力性能などが進化の上限に近づき、新型に乗り替えても変化が小さい。たとえば新型プリウスは、従来型に比べて全高を40mm下げたから、後席は新型のほうが少し窮屈だ。新型では、走行性能、燃費、安全装備などが向上するが、居住性、積載性、運転のしやすさに大差はない。
この状況では、新型で得られる安全性の向上などに魅力を感じながら、出費を抑えるために現行型を使い続けるユーザーも多い。そうなるとメーカーや販売会社の利益に結び付かないから、アップグレードに乗り出した事情もある。
とくにKINTOでは、契約期間を満了した車両は、必ず返却せねばならない。ユーザーの買い取りはできない。従ってリース期間中にユーザーがアップグレードして価値を高めれば、リースを終えて返却された車両も、さらに有効に活用できる。KINTOのビジネスにおいて、アップグレードは都合が良いのだ。
コネクティッドは通信を使ったサービスで、安全で燃費の優れた運転方法をアドバイスしたり、走行距離からエンジンオイルの汚れなども判断できる。故障の診断や予防も通信機能によって行える。
その一方で、コネクティッドで得られた情報の利用価値も高い。商品開発にもメリットが生じる。車両の欠点を開発段階で補ったり、今まで高い品質を保ってきた部分を、必要に応じて過剰品質と判断してコストダウンすることも可能になるからだ。
KINTOは、すべての年齢層が使える任意保険を標準付帯している。そのために保険料が高騰する若年層がクルマを使う場合、KINTOを利用すると、出費を大幅に抑えられる場合もある。これは若年層の利用を促進させる対策だが、狙いはそれだけではない。KINTOを通じて得られるオイシイ情報が膨大にあることも示している。