EV登場が話題の軽自動車だがじつは純内燃機関車が多い
日産
国産ブランドにおいて電動化をもっとも加速させているのが日産だろう。電気自動車専用モデルとしてリーフ、サクラ、アリアと3車種も設定しているほか、コンパクトカーのノートやキックス、そしてミドル級SUVのエクストレイルも国内向けはシリーズハイブリッド「e-POWER」専用モデルとなっている。
そんな日産でも純エンジン車は残っている。軽自動車ではマイルドハイブリッドの採用を拡大させているが、デイズの廉価グレードは純エンジン仕様だ。エルグランドやセレナといったミニバンもエンジン車を選ぶことができ、フェアレディZのようなスポーツモデルも電動化には進んでいない。
というわけで、エンジン車を選べる日産車は7モデルとなっている(商用車を除く)。
●エンジン車を用意する日産のモデル
マーチ、デイズ、エルグランド、セレナ、GT-R、フェアレディZ、スカイライン
マツダ
新規に直列6気筒を開発したマツダほど内燃機関にこだわっている国産ブランドはないだろう。クリーンディーゼルの幅広い設定がその意気を示している。それでいながら「e-SKYACTIV」という名称でマイルドハイブリッドを広く展開するなどしており、けっして電動化を否定しているわけではない。
というわけで、マツダではMX-30を除くラインアップの10車種でエンジン車を選ぶことができる(軽自動車、商用車を除く)。
●エンジン車を用意するマツダのモデル
MAZDA2、MAZDA3、MAZDA6、CX-3、CX-30、CX-5、CX-60、CX-8、ロードスター、ロードスターRF
スバル
水平対向エンジンをアイデンティティとするスバルは、ニューモデルの「クロストレック」の国内仕様を全車マイルドハイブリッド「e-BOXER」仕様にするなど電動化に積極的な姿勢を見せているが、まだまだ純エンジン車のラインアップは豊富だ。ターボについては純エンジン仕様となっているためエンジン車の選択肢は多くなっている。
というわけで、スバルのラインアップでは5車種で純エンジン車を選ぶことができる(軽自動車、OEMモデルを除く)。
●エンジン車を用意するスバルのモデル
レガシィ、フォレスター、インプレッサ、BRZ、WRX S4
三菱自動車
軽自動車の開発を日産と共同で進めている三菱自動車は、ルノー日産とアライアンスを組んでいる中で、プラグインハイブリッドに強いブランドと位置付けられている。アウトランダーやエクリプスクロスに設定されるPHEVは人気が高い。一方で、デリカD:5 などロングセラーのモデルについては電動化が進んでおらず、純エンジン車を選べるのも特徴だ。
というわけで、三菱のラインアップでは5車種で純エンジン車を選択できる(商用車、OEMモデルを除く)
●エンジン車を用意する三菱のモデル
エクリプスクロス、ミラージュ、RVR、eKワゴン、デリカD:5
ダイハツ
最後に紹介する国産ブランドが、軽自動車シェアトップのダイハツだ。同社独自のハイブリッド技術としては、1.2リッターエンジンを使い、モーターだけで駆動する「e-SMART」ハイブリッドだけとなっている。軽自動車には電動化技術を投入していないこともあり、ラインアップのほとんどが純エンジン車といった状況だ。
というわけで、ダイハツはOEMモデルを除く全ラインアップにおいて純エンジン車が選べる唯一の国産ブランドであり、その選択肢は11車種となっている。
●エンジン車を用意するダイハツのモデル
コペン、ミライース、ミラトコット、キャスト、タフト、ムーヴ、ムーヴキャンバス、タント、ブーン、ロッキー、トール
まとめると、国産ブランドで純エンジン車を用意しているモデルの合計は92車種もある。数え方次第では100車種まで増えるかもしれない。
電動化トレンドによってエンジン車の選択肢は激減している、というのは先入観であって、まだまだ純エンジン車は豊富に用意されている。もちろん、一部のモデルは電動パワートレイン専用となり、ハイブリッドと純エンジンの両方を設定するモデルでも多くの場合でハイブリッドに装備を充実させた上級グレードを設定している傾向は事実だが……。