「J」の文字が与えられたランボルギーニは特別なモデル
このディアブロ・イオタの存在を強く意識したのだろうか。当時ランボルギーニの創立30周年を記念して150台が限定生産されていたディアブロSEの最後の20台ほどは、ディアブロの頭脳ともいえるLIE(ランボルギーニ・インテリジェンス・エレクトリック)をリプログラミングし、ルーフ後端部に左右一対のエアインテークを設けるなどのイオタキットを装着した「SEイオタ」(別名SEコルサとも呼ばれる)がカスタマーのリクエストによって誕生する。
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ホワイトのスピードメーターは400km/hがフルスケール。それはまさにイオタの精神を見た瞬間だった。
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ディアブロの後継車として2001年に発表されたムルシエラゴでは、残念ながらイオタの名を掲げるモデルは誕生しなかったが、続く2011年デビューのアヴェンタドールには、ランボルギーニは積極的にJの称号を用いている。
まず見る者を驚かせたのは、2012年に発表されたワンオフのオープンモデル、「アヴェンタドールJ」。ルーフはおろか、ウインドウスクリーンも必要最小限なコンパクトなデザインとされ、ベースはアヴェンタドールLP700-4とされるものの、その詳細なスペックは一切明らかにされていない、イオタと同様にミステリアスなワンオフカーだ。
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2018年には軽量高性能をセールスポイントとする1700台の限定車「アヴェンタドールLP770-4 SVJ」が誕生する。900台のクーペと、1年遅れで800台のロードスターが生産されたこのモデルは、ミウラの時代から使用されてきたSV(スーパー・ヴェローチェ)とJのダブルネームという、まさに贅沢の極みともいえるネーミングを得た一台。
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参考までにこのLP770-4 SVJにはスタンダードモデルのほかにランボルギーニの創立年、1963年にちなんで63台が限定生産される「SVJ63」も用意されていた。
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ランボルギーニにとって、いかに「J」の文字が特別なものであるか、お分かりいただけただろうか。