この記事をまとめると
■高速道路の料金所付近に赤と白のブロックが置かれていることがある
■「KYブロック」と呼ばれる注水型樹脂製仮設防護柵だ
■安全性と移設性に特化した仮設防護柵として開発された
「KYブロック」は安全性と移設性に特化した仮設防護柵!
高速道路の料金所付近で、車線を規制するための設置されている、赤と白の車線誘導用のブロックを何というかご存じだろうか?
あれは通称「KYブロック」と呼ばれるもの。KY=空気の読めないヤツをブロックするためのアイテムなら、職場にもひとつ欲しいところだが、高速道路のアレは安全保安用品として、2020年にグッドデザイン・ロングライフデザイン賞を受賞している注水型樹脂製仮設防護柵だ。
開発したのは、福井県の株式会社八木熊。KYブロックの登場は1999年。それまで高速道路料金所のレーン規制柵は金属フェンスやカラーコーンが主流だったが、風に飛ばされたり倒れたりすることで通行車両との接触リスクがあることが問題視されていた。
一方で、ETCレーンの設置が勧められるようになり、一般レーンとの明確な区分けが必要となり、高速道路ではより安全な規制が求められていたという。
また一般道でも歩道と車道に跨がるような社会インフラ整備工事が増えてきたため、歩行者側・車両側双方の安全を確保できる仮設防護柵が必要だった。
こうした声に応えて、安全性と移設性に特化した仮設防護柵として開発されたのが、「KYブロック」というわけだ。
グッドデザイン賞の受賞対象の概要をみると、「KYブロックは安全性と移設性にこだわった注水型樹脂製仮設防護柵です。赤白一体型+反射材の視認性の良いデザインと水充填による衝撃吸収性で、道路を利用される方に安心して走行できる環境を提供します。また、注水口を5つ設けることで目的別に水量を調節できるため、移設や撤去作業をされる方の負担を軽減することができます」とあり、デザインのポイントについては以下3点が挙げられている。
1.視認性:赤白一体型+反射材のデザインにより通行レーンを明確にし、道路での接触事故を防止する。
2.安全性:不慮の車両衝突時でも中空成形による注水構造で衝撃を吸収し、運転者と歩行者の命を守る。
3.移設性:注水口を5つ設けることで迅速な設置撤去、移設が可能となり現場作業員の負担を軽減する。
材質は高密度ポリエチレン製で、空総重量:18.7kg / 満水時総重量:約140kg。本体には取っ手が4ヶ所ついているので、水を抜けば移設も簡単で、フォークリフトでも移動可能。
レイアウトの自由度も高いので、高速道路や一般道だけでなく、商業施設やイベント会場などでも見かけることが少なくないはず。
衝撃吸収用ブロックとしても安全性が高く、なかなかスグレモノの安全保安用品として全国に普及している。