全部知ってたら衝撃のクルママニア! 十二支の動物に絡んだクルマを12台見つけてみた (2/2ページ)

意外にも「犬」があまりいない!?「羊」が強そう!?

 次の未年は、アメ車好きなら脊髄反射的に「ラム!」と思い浮かぶはず。もっとも、一般的な羊ならシープ(Sheep)で、ラムは牡羊のことを指すのだそうです。それゆえ、ダッジのエンブレムでは猛々しい角も描かれているのです。

 角といえば、オオツノヒツジという種類もいて、英名ビッグホーン。オールドファンには懐かしいいすゞのクロスカントリー車にほかなりません。ヒツジといえば、おとなしいイメージから「眠れない時に数える動物」とされていますが、案外クルマの世界ではアクティブにとらえられているようです。

 そして、申年なんですが、残念ながらクルマのネーミングでは見当たりません。よって、ホンダのモンキーというバイクでご勘弁。昔は50ccの原付でしたが、現在は125ccにグレードアップがなされ、元気に復活しています。ちなみに、モンキーの兄貴分でゴリラなんて原付もありましたっけ。

 酉年もまた、サル同様に難しいと思っていたら、かろうじてハリアーというトリがいるのを発見。小さな鷹の一種、チュウヒというのが空を飛んでいるとのこと。当初、車体エンブレムにはそのチュウヒが象られていたのですが、トヨタの販売店戦略から総合的なTマークへと変更されています。なお、イギリス(ホーカー・シドレー)製の有名な垂直離着陸が可能な戦闘機に同名のモデルがあります。どちらかといえば空の乗り物にふさわしい「ハリアー」ですが、どうしてトヨタは使ったのでしょうかね。

※画像は先代ハリアー

 次の戌年ですが、これまたイヌをネーミングに使ったクルマは少ないようです。ホンダのシティ・ターボIIがブルドッグと呼ばれ、またシビックシャトルにもビーグルというグレードがありましたが、いずれもサブネーム扱い。

 そのほか、三菱がオーストラリアに棲息する野生の犬だか狼的な「ディンゴ」を使ったのがニアピンですかね。人間にとって身近な存在なのに、なかなか採用されないというのはちょっと不思議です。ローバー・コッカスパニエルとか、フォルクスワーゲン・チワワとか人気出そうなのにね。

 はてさて、最後の亥年、イノシシもまた見つけるのに苦労しましたが、どうにか1台ありました。なんとポーランド(AMZ)製の軍用装甲車「Dzik(ジク)」で、同国語の男性名詞でイノシシを意味しています。装甲パトロール車両ということで、武装・非武装が選べ、兵員輸送用に車体が大型化されたモデルなど、バリエも豊富。主な使用国はイラク軍で、ポーランド国内での使用例は数えるほどだとか。なるほど、分厚い鉄板の切り張り細工かのようないかついボディはイノシシに見えなくもありません。と納得しかけたところ、ジクの名はトラクターや潜水艦にまで使われているとのこと。どんだけ猪突猛進な国だよって感じ(笑)。

 さて、おめでたい干支になぞらえてご紹介してきましたが、ともかくは卯年の皆さまだけでなく、すべてのクルマ好きの息災、ご多幸なる1年をお祈りしております!


石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

文筆業

愛車
三菱パジェロミニ/ビューエルXB12R/KTM 690SMC
趣味
DJ(DJ Bassy名義で活動中)/バイク(コースデビューしてコケまくり)
好きな有名人
マルチェロ・マストロヤンニ/ジャコ・パストリアス/岩城滉一

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