この記事をまとめると
■ジェームス・ボンドの愛車であるアストンマーティンDB5は世界でもっとも有名なクルマといわれている
■その証拠にアストンマーティン自身が「ゴールドフィンガー」仕様のDB5を製作している
■製作された「ゴールドフィンガー」仕様の25台のDB5は275万ポンドで販売された
アストンマーティンにとっても特別なDB5というクルマ
アストンマーティンのファンのなかでも、とくに「DB5」に人気が集まるのは、それが「ゴールドフィンガー」に始まる007シリーズの劇用車として使用されたことによるところが大きいだろう。
その人気の根強さはアストマーティン自身にとっても良く理解されており、結果アストンマーティンは2020年にそもそも本社があったニューポートパグネルの工場で、25台のゴールドフィンガー仕様のDB5の製作をスタート。
それはもちろんアストンマーティン自身の手によるものだけに、完全なゴールドフィンガー仕様のコピーであり、当時映画のために採用されたさまざまなスパイガジェットのほとんどが装備されたものだった。ちなみに回転式のライセンスプレートや煙幕など、一部のガジェットは実際に機能するように設計されていたという。
そもそもアストマーティンDB5は、その前作であるDB4と非常に強い関連性を持つモデルだった。1958年、ミラノのカロッツェリア・ツーリングが特許を持つ軽量構造、「スーパーレッジェーラ」を採用してデビューしたDB4は、3670ccの直列6気筒DOHCエンジンを搭載し240馬力の最高出力を発揮。1311kgという軽量性を武器にレースの世界で大活躍を見せた。
DB4は1958年から1963年までに1110台が生産されたとされるが、それは年代によって5つのモデルに分類され、1959年には高性能版のDB4GTも誕生。エンジンは302馬力まで強化され、さらにホイールベースを短縮することで2シーター化。車重はノーマルのDB4よりさらに85kg軽量化されている。
1960年には、DB4GTのシャシーにザガート製ボディを組み合わせたDB4GTザガートが発表されるが、これは現在でも究極のコレクターズアイテムとも呼ばれるモデルである。
生産台数はわずかに19台。DB4GTはトータルで94台が生産されたが、このうち19台がザガートということになる。