「快適でサーキットでも速い」とロマン・グロージャンが絶賛
2019年から開発がスタートしたとされているボヘマですが、そのパートナーを担ったのが元F1レーサーにして、ルマンやインディカーにも乗ったロマン・グロージャン。アドバイザーとしてのグロージャンは、開発陣に対しさまざまなリクエストを投げかけ、そのほとんどが実現されたといいます。
たとえば「公道を走るときにパッセンジャーと普通に会話できること」や「コクピットはタイトで構わないけど、どこかにヘルメットを置けるスペースが欲しい」など、ハイパーカーあるあるのネガティブポイントをことごとく指摘していたそうです。で、開発陣はきちんと要求に応えたばかりか、グロージャンも驚くほどの性能を実現したのです。
「公道での快適さは、ハイパーカーと呼ばれるクルマのなかでもトップクラスだ。サーキットに乗り入れても、これほどリニアでシャープなレスポンスを持っているのはプロトタイプカーくらいだろう。キャラクターに二面性があるクルマはときどきあるけど、どちらも満足いくパフォーマンスであることは非常に少ない」
顧問料みたいなものを省いても、相当な褒めようです。実際、チェコ有数のサーキット「スロバキア・リンク」でも着々と開発がすすめられており、コースレコードを刷新する走りを見せるなど、2023年後半には開始する市販モデルへのフィードバックが楽しみなことしきりです。
また、お値段も1億円以上が予定されているだけあって、内外装のカスタムオーダーももちろん可能。なかでも注目は、エレクトリックギアと呼ばれる変速装置で、こちらも顧客の望みに合わせてカスタマイズするのだとか。とどのつまり、好みのサーキットに合わせたセッティングや、現状で300km/hの最高速をより高速化するギヤに変更できる、といったサービスかと。だとしたら、これまたプラガの真面目さ、親切さを表すもので、飛びつくリッチマンは少なくないでしょう。
ただ、ひとつだけ心配なのはドアの開口面積とルーフの低さくらいでしょうか。公式動画などを見ていても乗り降りのシーンは見当たりませんが、ドアそのものも小さいし、開口部も決して広いとは言えない感じ。ここにプロトタイプカー並みに低いルーフが加わるのですから、乗り降りにアクロバットが要求されること想像に難くありません。
果たして、身長180センチあるグロージャン、このあたり気にならなかったのか、実に気なるポイントです。