パンク修理キットはスペアタイヤよりも修理費用がかかる
スペアタイヤがない場合
近年はスペアタイヤが積載されていなくて、代わりにパンク修理キットが積載されている場合もある。この場合も基本的に最初の対処法は同じ。安全で平らなところに車両を止めて、タイヤを外して作業に取り掛かる。しかし、この先の作業が異なる。詳細な作業方法はそれぞれの取り扱い説明書を確認してほしいが、パンク修理キットは、タイヤに空いてしまった穴を修理剤でふさいで一時しのぎをして、走行できるようにするアイテム。タイヤそのものを交換するスペアタイヤとは違うのだ。
気を付けて欲しいのが、パンク修理キットもスペアタイヤ(テンパータイヤ)と同じように長距離の走行は出来ないことと、高速走行が出来ないことだが、パンク修理キットはこれに加えて修理した標準タイヤは再利用できないということも覚えておくべき。
パンク修理キットと店舗でのパンク修理の違い
ガソリンスタンドやタイヤショップで行っているパンク修理では、再びタイヤを通常使用することができるが(パンクの状態にもよる)、車載のパンク修理キットを使用するとそれは不可能だ。新品のタイヤでも車載のパンク修理キットを使えば、もうそれは使えないタイヤになってしまう。
そのため、純正でパンク修理キットの普及が進んだ今でも、無料オプションでスペアタイヤに変更することが出来る車種も多い。スペアタイヤならばたとえ標準タイヤがパンクしてしまっても、スペアタイヤで一時しのぎしている間に標準タイヤを修理して再使用することが出来るからだ。ガソリンスタンドやタイヤショップでのパンク修理が掛かっても3000円程度なのに対して、パンク修理キットを使えば1本数万円を払って買ったばかりの新品タイヤも使えなくなってしまう。
もちろんそれぞれの考え方や意見があると思うが、積載性が劣ってしまう面を引き換えにしても筆者は装備できるならばスペアタイヤ派である。
不安ならばプロに頼むのがオススメ
スペアタイヤ交換時の注意点や対処法を紹介してきたが、パンクというもしものアクシデントで対処が難しいと感じた場合は遠慮なくJAFやロードサービスを呼んでプロに頼むのがオススメだ。そのほうが安全で確実と言えるし、「料金がかかってしまうから……」と言って目先の金額をケチって、間違った対処を行い後で痛い目を見るよりはよっぽど安い。公道で自動車を運転するならば、あらゆる「もしも」があることを認識して対処法を考えて運転しよう。