この記事をまとめると
■マクラーレンのプロダクションモデルとしては初となるPHVの「アルトゥーラ」に試乗した
■最高出力は585馬力のV6に最高出力95馬力のエレクトリックモーターを組み合わせる
■新開発の「マクラーレン・カーボン・ライトウェイト・アーキテクチャー」による抜群の安定性を誇る
電動化時代に向けて大きな一歩を踏み出したマクラーレン
マクラーレンに新しい時代が訪れた。それはマクラーレンにとって初のプロダクションモデルとなるPHV、「アルトゥーラ」をドライブしてまず感じたことだった。
ちなみにマクラーレンはこれまで、「P1」や「スピードテール」といった限定販売を前提とするスペシャルモデルでPHVのシステムを採用した実績があるが、それらはいずれも生産台数の少なさに加えて、きわめて高額なプライスタグが掲げられたモデル。もちろんこのアルトゥーラとて、一般的な常識から考えれば、それは安易に手が出せるようなプロダクトではないが、それでもスーパースポーツの世界にPHVのシステムが導入された意義は非常に大きい。
まずはアルトゥーラのエクステリアデザインを見る。デザインは機能に従うというマクラーレンの伝統的なコンセプトが示しているように、そのデザインはスーパースポーツに必要不可欠なパーフェクトなエアロダイナミクスを予感させるものだった。
実際にこのアルトゥーラが達成する最高速は330km/h。0-200km/h加速さえ8.3秒で駆け抜ける運動性能を発揮するマシンである。エアロダイナミクスがその性能を実現するためにいかに重要な要素となるのかは想像に難くない。
そして、それらの機能を可能なかぎり小さくラッピングする「シュリンク・ラップ」のコンセプトもまたマクラーレンの伝統とするところ。これまでのモデルよりはるかにシャープに、そして前衛的に感じるようになったボディスタイルは、このようなコンセプトをさらに進化させた結果といえるのだ。
今回は一般のワインディングロードのほかに、アルトゥーラにとっては最高のドライビングシチュエーションともいえる富士スピードウェイでそれを試乗することが叶った。ちなみに後者は先導車付きで、ストレートの最高速は200km/hに抑えられていたが、それでもこれは一般道では到底体験できない速度域であることは当然だ。