手放すタイミングの判断が重要となる
残価率が高いということは、月々支払う額は少なく抑えることができるが、支払いを続けても、3年払いでは約300万円の残債は支払最終月まで残る。現行シビックタイプRのようなモデルを購入すれば、峠を攻めたいだろうし、サーキットで走る機会もあるかもしれない。つまり、ほかのモデルより事故で損傷してしまうリスクも高い。車両保険にしっかり入っていないと、フルローンで全損事故などを起こしてしまえば、目も当てられない状況になってしまう。残価設定ローンを利用する時には、余裕のあるプランを組んでもらいたい。
ただ傾向としては、最近はこの手のモデルは年配の人が購入するケースが多く、それこそ“箱にしまって”といった表現が似合うほど、乗って楽しむより見て楽しむという人が多いとも聞いている。
設定される残価についてはある程度中古車相場を予想し意識したものとなるが、実際に手放す時にはリアルな相場動向というものが反映され、設定残価額以上の価値判断になることもある。タイプRのようなモデルを手放す時には、完済を待たずに頃合い(査定額や買い取り額で残債を相殺できるタイミングなど)を見て、買取専業店やタイプRのようなモデルを専門的に扱っている中古車店へまず持ち込んで値踏みしてもらうことをおすすめする。
ホンダ系ディーラーならば下取り査定でも現行シビックタイプRということを十分意識した値付けとなるだろう。またトヨタ系ディーラーでは、トヨタ系のオークション規模が大きいこともあり、ホンダ並みかそれ以上の価値判断が期待できるので、トヨタ車への乗り換え時にはディーラーでの下取りも十分期待できる。そのほかのメーカー系ディーラーではあまり期待できないのが実状となる。
タイプRほど特殊なモデルでは、残価設定ローンを組んだ場合は完済を待たず、さらにディーラーに下取りしてもらうよりは、残債との相殺などを意識して時期を判断すれば個人で売却するほうがおすすめといえるだろう(残価設定ローンでは、設定残価率はやや抑えめとなっているので、完済を待たずに下取り査定で残債を相殺するという方法を販売現場で勧められることが、タイプRのようなモデル以外でも多い)。